フリームービング下におけるカエル行動中の四肢の筋電図の取得方法を確立した。 これにより、カエル餌定位行動中に発生する筋電図を取得でき、これを解析することにより、どの筋肉がどのような行動中にどのような力で働くのかを解明することができる。この解明により、網膜より入る餌情報を脳でどのように処理し(組織学)、その結果どのような筋肉を動かすことによって(筋電図)、その結果どのような行動を現わすのか(行動学)という、一連の情報処理メカニズムを解明することができるようになる。 このメカニズムによる考えだされる行動発現モデルをデバイスへと応用することによって行動発現チップを作製することができる。 さらに、この行動発現チップをロボティクスへと応用することができれば、行動を模倣するロボットではなく、入力である餌情報をチップで処理しどのようなモーターをどれくらいの力で駆動するのかを出力として出し行動をとるということになる。それが結果として餌取り行動と類似した行動となれば、各研究によって考えだされたモデルが正しかった。つまり、カエル餌定位行動の本質であるといえる。 たとえその出力が実際の出力と異なっていたとしても、その差異を見、どこのモデルにその原因があるのかを調べ、どのような追加実験を構築することでその問題を解決することができるかを見出すことができる。 つまり、ロボティクスをロボティクスで終わらせるのではなく、それから得られる問題と解決案を生物学の研究に還元する。従来の生物学のみでの研究方法では解決できなかったことが、このまったく新しいアプローチ方法の確立によって解明することができるのではないかと期待される。 そのために、第二段階として、研究室を大学院GPという制度を用いてホームである中川研究室からデバイスの研究を行っている山川研究室に移動し、その基礎を学習した。 HSPICEを用いさまざまなモデルの相互特性、ドレイン特性を測定した。 また、MOSFETの各レベルにおけるデバイスモデルのチャネル長変調効果に関する研究を行った。
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