• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

ブドウ球菌属に於ける遺伝子の水平伝播機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06J53122
研究機関順天堂大学

研究代表者

渡邊 真弥  順天堂大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC2) (60614956)

キーワードブドウ球菌 / Staphylococcus haemolyticus / 挿入配列 / ゲノムの再編成
研究概要

遺伝子解析やゲノム解析により、黄色ブドウ球菌は過去に大規模な染色体の組み換えを起こしていることが判明した。この大規模な組み換えの詳細を明らかにすることが、今回の研究の目的の一つである。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌であるStaphylococcus haemolyticus JCSC1435株のゲノム解析により、その染色体上に82個の挿入配列(IS)が存在することが明らかになり、そのうち60個が機能していると推測された。ゲノム上にISを多く有するほどゲノムの再編成が起こりやすいと言われている。ゲノム配列が報告されているブドウ球菌属の中でS.haemolyticusが一番多くのISを持つ。このISがS.haemolyticusの染色体にどのような影響を及ぼすかを調べた。
S.haemolyticus JCSC1435を継代培養後、テイコプラニンあるいはセフチゾキシム10mg/Lで生育しない変異株をレプリカ法により選択した。染色体の変化を見るためにパルスフィールド電気泳動を行った。さらにPCR、サザンブロットハイブリダイゼーションにより変化領域を特定し、その部位の塩基配列を決定した。
得られた変異株のうち代表株12株のPFGEを行ったところ、染色体の80kbpから430kbpほどの領域が脱落していることが推測された。このうち3株が複製開始点を挟んだ2つの領域で変化がみられた。変化領域を特定したところ、2つのISSha1に挟まれた領域(266-320kbp)が欠失し、この2つのISと複製開始点を挟んで反対側の染色体領域とで逆位(455-535kbp)が起こっていた。その2つのISの隣には8bpのtarget duplicationが存在するため、この変異はISSha1の転移酵素により引き起こされていると推測された。
上記の結果をJournal of Bacteriology誌上に投稿し、受理されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Precise Excision and Self-integration of a Composite Transposon as a Model for Spontaneous Large-seale Chromosome Inversion/Deletion of a Staphylococcus haemolyticusClinical strain JCSC1435.2007

    • 著者名/発表者名
      Shinya Watanabe, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology (In press)

  • [雑誌論文] Combination of multiplex PCRs for staphylococcal cassette chromosome mec type assignment : rapid identification system for mec, ccr, and major differences in junkyard regions.2007

    • 著者名/発表者名
      Yoko Kondo, et al.
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy 51・1

      ページ: 264-74

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2013-05-31  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi