研究課題/領域番号 |
07041005
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10153206)
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研究分担者 |
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70190923)
足立 信彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10175888)
高橋 均 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50154844)
増田 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70209435)
遠藤 泰生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50194048)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | クレオール / カリブ海 / 植民地 / 旧宗主国 / 個別性 / 文化的自律 / 普遍性 / 政治経済体制 |
研究概要 |
平成7年度より9年度までの3年間の調査研究の成果は、次のようにまとめられる。 1.カリブ海地域のクレオール文化と広域移民 7年度の集中調査および8年度の補充調査によって明らかになったのは、1)各地においてクレオール化現象は顕著に見られるが、そのあり方はさまざまであり、カリブ海地域を一体として捉えることが困難であること 2)カリフ海地域文化の分断に、旧宗主国の政治文化的基本政策の違いが、大きく寄与していること 3)現在に至ってもカリブ海地域に隠然たる力をふるう植民地期の政治経済体制が、地域内の文化的差異や移民送り出し状況の違いをもたらしていること 4)現在の政治体制の違い(独立国・海外圏・自治領)が文化的差異の基盤を形成していること、である。 2.世界各地のクレオール文化と広域移民 8年度および9年度における、日本側研究代表者および分担者による各々の専攻地域における調査および、海外の研究分担者による調査によって明らかになったのは、 1) ヨーロッパの旧植民地宗主国を比較した場合、移民のもたらす文化的影響が強く.意識されるオランダ、植民地の問題がほとんど年頭に上らないドイツ、移民の問題を個人の人権といった普遍的な問題として処理するフランス、世界のさまざまな旧植民地からの影響が混じりあうイギリスといったように、移民の問題に対する対応と影響に大きな違いがあること 2)中国のようにクレオール化とは一見無縁にみえる世界においては、世界各地に展開するクレオール化した華人の存在が「中華」を逆に照射してそれを定義する役割を担っていること 3)ブラジルの先住民のように、自らの文化的自律を主張する際の「文化」が実はクレオール化した文化であること、が明らかになった。
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