• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

カラハリ砂漠とその植生移行帯における民族多様性に関する生態人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07041012
研究機関京都大学

研究代表者

田中 二郎  京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30027495)

研究分担者 大野 仁美  麗澤大学, 外国語学部, 講師 (70245273)
早木 薫  日本学術振興会, 特別研究員
中川 裕  東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70227750)
池谷 和信  国立民族学博物館, 第一研究部, 助手 (10211723)
大崎 雅一  姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 講師 (40254453)
早木 仁成  神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (60228559)
太田 至  京都大学, アフリカ地域研究センター, 助教授 (60191938)
キーワードカラハリ砂漠 / 植生移行帯 / 民族多様性 / サン / ボツワナ / ナミビア / 人類学 / 環境利用
研究概要

ボツワナおよびナミビアでの現地調査から、以下の点が明らかになった。
(1)サンの生活史に関する調査からは、過去には現在とは異なる遊動空間を利用していたことが明らかになり、記憶されている重要な出来事と結びついた地名を地図上で同定し、定住化にともなう環境利用の変遷の様態を解明した。
(2)サン社会には婚外の性関係が頻繁に見られること、そしてそれにまつわる儀礼や超越者を呼び寄せる成人儀礼などが存在することが明らかになった。
(3)グイ語と南コイサン語族のコン語とは、予想以上に多くの共通の特徴をそなえており、サン全体の移動と諸民族間の関係の歴史を再考するための、重要な手がかりのひとつとなることが明らかになった。
(4)ヘレロとヒンバの生業にとっては、モパネは家畜の飼料となるばかりでなく、建材や燃料としても重要な役割を果たしており、また、宗教儀礼においても、象徴的な役割を担っていることが明らかになった。
(5)ヘレロとヒンバが混住するカオコランドでは、土地の利用権をめぐる争いが、民族間のアイデンティティの問題との関連の上で起きており、民族間の対立は、ヘッドマンの任命や、総選挙のときの支持政党の選択といった国家レベルでの問題にも、深い関連をもっていることが明らかになった。
(6)カデ地域では、多言語使用が急速に進んでおり、グイ語・ガナ語で継承されている伝統的な知識が消失し始めていることが明らかになった。
しかしながら、研究を進めるにつれて時間の制約上、(1)サンの近隣に住む農牧民カラハリの調査、(2)ナミビアの農牧民オヴァンボの氾濫原農耕の調査、(3)GPSを用いてサンの地名の位置を測定する調査などが、十分にできなかったという反省点もある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 太田至: "群れ管理における『自然』と『文化』の接点" 地球に生きる:自然と人間の共生. 193-223 (1995)

  • [文献書誌] 太田至: "『独立』への道:かわりゆくナミビア" アフリカ学会会報. 26. 30-36 (1995)

  • [文献書誌] 大野仁美: "カラハリ狩猟採集民グイの親族名称体系" アジア・アフリカ言語文化研究. 50. 185-204 (1995)

  • [文献書誌] 今村薫: "エランドを踊る日まで-ブッシュマンの初潮儀礼と性-" 青少年問題. 43巻1号. 20-27 (1996)

  • [文献書誌] 大崎雅一(共著): "『海外渡航者のための医療情報サービスWWW. Homepage』の開設と問題点" 情報処理学会研究報告. 95-102. 1-8 (1995)

  • [文献書誌] 田中二郎: "序章-アフリカ地域研究の10年-(印刷中)" 続 自然社会の人類学. (1996)

  • [文献書誌] 太田至: "規則と折衝-トゥルカナにおける家畜の所有権をめぐって-" 続 自然社会の人類学. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 池谷和信: "生業狩猟から商業狩猟へ-カラハリ砂漠の狩猟採集民ブッシュマン-" 続 自然社会の人類学. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 中川裕: "言語芸術と民族誌-ダイクエ=ブッシュマンの詩学-" 続 自然社会の人類学. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 今村薫: "ささやかな饗宴-ブッシュマンの食物分配" 続自然社会の人類学. (印刷中). (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi