研究課題/領域番号 |
07041026
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大村 敬一 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (40261250)
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研究分担者 |
寒川 恒夫 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70179373)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
スチュアート ヘンリ 昭和女子大学, 大学院・生活機構学専攻, 教授 (50187788)
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キーワード | イヌイット / ペリ-ベイ村 / イヌクジュアク村 / 社会・文化変化 / 古文書 / 歴史 / カナダ政府直轄 / ケベック州管轄 |
研究概要 |
ペリ-ベイ村での調査での調査実施に先がけて、当村の歴史的・政治的状況の独自性を明らかにするために、カナダ国内の古文書館での古文書調査と、他地域での民族学的調査を行った。 1.古文書調査:調査地であるペリ-ベイ村のイヌイットの歴史的状況の独自性を明らかにするために、古文書館と公文書館で、当村に関する歴史的記録を調査・収集した。 2.イヌクジュアク村での調査:連邦政府直轄の北西準州にあるペリ-ベイ村の現在の社会・文化的、政治的状況の独自性を明らかにするために、他地域のイヌイットに関する調査を行う必要性が生じた。そこで、ケベック州管轄のイヌクジュアク村のイヌイットについて調査を行い、これまでにペリ-ベイ村に関して蓄積されてきた基礎的データと比較可能な基礎的データを収集した。 上記の調査により、下記の新たな知見が得られた。 1.古文書の調査により、ペリ-ベイ村のイヌイットがはじめて欧米人と接触した19世紀半ばからの歴史が明らかになった。地理的状況の困難さから、他地域のカナダ・イヌイットに較べ、当地のイヌイットが欧米人及び欧米系の毛皮交易、カナダ政府と恒常的に接触するようになった時期は遅く、20世紀半ばに至るまで、欧米系社会からの影響が比較的少ないことが判明した。 2.イヌクジュアク村での民族学的調査によって、カナダ政府直轄の北西準州にあるペリ-ベイ村のイヌイットと、ケベック州管轄のイヌクジュアク村のイヌイットの現在の政治的・経済的状況の違いが明らかになった。また、イヌクジュアク村に較べて、ペリ-ベイ村では、「伝統的な」社会形態が比較的よく保持されているのに言語の変化が激しいという、ペリ-ベイ村の社会・文化変化の特殊性が判明した。
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