研究課題/領域番号 |
07041026
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大村 敬一 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (40261250)
|
研究分担者 |
寒川 恒夫 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70179373)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
スチュアート ヘンリ 昭和女子大学, 大学院・生活機構学専攻, 教授 (50187788)
|
キーワード | イヌイット / ペリ-ベイ村 / 社会・文化変化 / イヌイット語 / 言語変化 / イヌイット・ゲーム / 彫刻 / エスニシティー |
研究概要 |
現在のペリ-ベイ村での社会・文化変化および言語変化の現状を把握するとともに、変化してゆく社会的・政治的・経済的状況においてイヌイットが自己の「伝統」をいかに適応させているのかを明らかにするために、以下の調査を行った。 (1)ペリ-ベイ村のイヌイットの世帯に約2ヶ月間住み込み、生業活動と社会関係についての参与観察を行った。また、生業活動と社会関係の変化に対してイヌイットが抱いている意識についてインタビューを行った。 (2)ペリ-ベイ村のイヌイットにインタビューを行って語彙と文法に関する基礎的資料を収集した。また、日常生活での言語活動の参与観察と文法事項についての世代別インタビューを行い、言語変化の現況を調査した。 (3)本年度、カナダで開催されたイヌイット・ゲーム大会とアラスカで開催されたエスキモー・オリンピックの参与観察と、そのゲームに対する意識についてのインタビューを行った。また、ペリ-ベイ村のイヌイットの彫刻活動の参与観察と彫刻に対する意識についてのインタビューを行った。 上記の調査により、下記の新たな知見が得られた。 (1)イヌイットの生業活動と社会関係の変化が表面的には一層進んでいることが確認された一方、エスニシティーの象徴というかたちで、いわゆる「伝統的」な生業活動と社会関係が依然として機能していることが確認された。 (2)これまで未調査だったペリ-ベイ村のイヌイット語方言の語彙と文法の基礎的なデータが集積され、当方言の独自性が明らかとなった。 (3)英語がイヌイット語と併用されていることが、イヌイット語の変化のあり方と関係していることが明らかとなった。 (4)イヌイット・ゲームと彫刻が、イヌイットのエスニシティーの象徴として重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
|