研究課題/領域番号 |
07041027
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
真田 康道 佛教大学, 文学部, 教授 (90066415)
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研究分担者 |
于 志勇 新疆考古研究所, 副所長
王 炳ふぁ 新疆考古研究所, 所長
岳 峰 新疆文化庁文物処, 処長
中島 皆夫 (財)長岡京市埋蔵文化財センター調査員, 調査員
高橋 照彦 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助手 (10249906)
高妻 洋成 国立奈良文化財研究所, 文部技官 (80234699)
吉崎 伸 京都市埋蔵文化財研究所, 研究員
田辺 昭三 京都造形芸術大学, 教授 (90068817)
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キーワード | 樓蘭王国 / 尼雅 / 精絶国 / 西域南道 / N2 / N5 / 墳墓 / 錦 |
研究概要 |
1.今年度は、(1)発掘調査(2)遺跡分布調査(3)木質調査(4)古代建築調査の4分野で調査を行った。 2.[発掘調査]:(1)昨年度に引き続き19戸の集落跡N2の第1・第2・第8住居を発掘。(2)N.2-第1号・2号・8号各住居址の現状実測(平面図・立面図・断面図各1/20作成)(3)櫓上よりN.2写真撮影実施 3.[分布調査]:(1)新たに10ケ所の遺跡を発見し登録(住居址4,ブドウ園4、墓地2)。(2)新型GPSを導入し精度向上を計った。(二点間測量で20km以内誤差10cm)。(3)当初計画の南地域調査は未完了、再度調査が必要 4.[木質班]:(1)木製品/自然木等500点のサンプルを収集。しかし現地の厳しい状況のため日本に持ち帰れず(種別同定・木質調査・年代決定用)。(2)砂漠内での木質劣化実験のため標本木材を設置、毎年継続的測定 5.[建築学班]:新疆工業大学との共同で、ニヤ遺跡30km手前のカパック村の住居を調査。比較資料作成。 6.N.5遺跡内小寺院址を中国隊が発掘(1名日本隊参加)し、貴重な成果を挙げた。寺院は非常に精巧で、木造。正方形の基壇の周りに回廊があり、正面の扉は観音開き。崩壊した壁から極彩色の仏菩薩の絵画を採集 7.遺跡の北方から偶然墳墓を発見した。全部で8棺あり、保護のためウルムチに持ち帰った。第3号棺は夫婦合葬で、王侯クラスの貴人と見られている。全部で10枚の錦があり、完全な状態で出土した。錦には文字が織り込まれており、それぞれに「王侯合昏千秋満歳宜子孫」「廣山」「世極錦宜二親傳子孫」「無極錦二親傳子孫」の五種の句である。その他さまざまな模様が織り込まれている。男性ミイラには、弓と矢・矢筒・刀鞘等の副葬品があり、女性ミイラの枕元には、袋に入った銅鏡・櫛・化粧品・針等の入った漆の円形箱がる。これらは、今後さらに日中共同で継続的研究がなされる。
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