研究分担者 |
田 広金 内蒙古文物考古研究所, 学術委員会主任, 研究員
高浜 秀 東京国立博物館, 東洋課・中国考古室, 室長 (60000353)
山本 忠尚 天理大学, 文学部, 教授 (10000506)
宮本 一夫 九州大学, 大学院, 助教授 (60174207)
大貫 静夫 東京大学, 大学院, 助教授 (70169184)
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研究概要 |
〔平成9年度研究実績概要〕 1,飲牛溝墓地の発掘調査(8月1日-8月21日)=秋山・山本・大貫・宮本・西本・廣川・小田木参加 我々は初年度に仰韶文化後期の王墓山上遺跡,二年目の石虎山I・II遺跡の発掘調査に引き続き,今年度,先ず,オルドス青銅器文化期の飲牛溝墓地の発掘調査をおこなった。墓地は“岱海"の西,蛮汗山南麓の黄土台地上にあり,有名な毛慶溝墓地の東約1kmにあたる。1987年の内蒙古文物考古研究所の第1次調査によって,14基の墓が発掘されている。今回は墓地北部を発掘し,新たに23基の墓を発掘した。構造は竪穴土坑墓で,中に木棺や木槨を持つものもある。副葬品は帯鉤・装身具・鉄斧それに土器があり,犠牲獣骨もあった。 2,板城龍山文化石城遺跡の測量調査と赤峰遺跡・遺物調査(8月21日-9月10日)=秋山・山本・大貫・廣川・小田木参加(以上,板城調査)秋山・山本・廣川・小田木参加(以上,赤峰踏査) 次いで,この地域の特徴である,龍山文化時期の石城の一つ,板城遺跡の考古測量調査を行った。現在,北方における最古の城墻はこの地の龍山文化期まで遡る。今回その全貌を詳しく考古測量掘調査すると同時に,城墻部分の断ち割り調査によって,構造を解明した。また,住居址2基を発掘し,試掘による住居全体配置を圖化した。次いで赤峰市へ飛び,博物館,青銅器時代遺跡において関係資料収集に務めた。 以上のように、3か年の調査期間において,この地域における農耕の始まりから,その展開過程,続いて牧畜を主たる生業とするオルドス青銅器文化の牧畜民への交代の様相を追求することが出来た。 3,ホロンバイル地方の考察(6月27日-7月5日)=秋山・大貫参加 内蒙古長城地帯から大興安嶺にひろがる細石器遺跡と鮮卑遺跡の実地踏査と遺物調査を行った。 4,甘粛・寧夏固原二次調査(11月25日-12月9日)=秋山・高浜・氣賀澤参加 長城の西端における様相調査のため甘粛省蘭州・武威・甘粛東部遺跡・遺物調査。寧夏固原のオルドス文化遺跡・遺物の調査と寧夏各地オルドス遺物調査を行い,長城地帯西部の様相を探究した。
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