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1995 年度 実績報告書

産育慣行よりみたオーストロネシア諸族の生命観の社会人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07041029
研究機関関西学院大学

研究代表者

山路 勝彦  関西学院大学, 社会学部, 教授 (30090731)

研究分担者 棚橋 訓  慶応義塾大学, 文学部, 専任講師 (50217098)
柄木田 康之  宇都宮大学, 国際学部, 助教授 (80204650)
成田 弘成  豊田短期大学, 人間関係学科, 助教授 (40189212)
伊藤 眞  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60183175)
キーワードオセアニア / 通過儀礼 / 産育慣行 / 性差 / トランス・ジェンダー / 両性具有 / 穢れ観 / 禁忌
研究概要

本研究では、野外調査を中心として、産育慣行と生命観、そして性差の比較研究を目的としている。人が生まれ・育つ過程を研究するにあたっては、それぞれの社会が認知する社会的・文化的意味を理解しなければならない。そして、その過程に男女がともに深く関わる以上、性差の文化的意味付けを考える必要がある。
本年度は、ポリネシア(ラロトンガ島民、西サモア島民)、メラネシア(マヌス島民、ナカナイ族)、ミクロネシア(ヤップ島民、パラオ島民)、インドネシア(スラベシのブギス族)で野外調査を実施した。このような広域にわたるオセアニア地域での比較研究は、広い知見を与えてくれた。例えば、インドネシアおよびポリネシアの双方にわたって類似した性差慣行、つまり「第三の性」、もしくは「トランス・ジェンダー」の存在が指摘される。この比較研究は、性差の多様な現象形態を浮き彫りにするのに、よく貢献した。社会構造、文化的背景を考慮しながらの、両地域での比較研究は有益である。
パラオ島では、大首長の即位式で、首長は両性具有の姿態で登場する。この儀礼的文脈での性差の研究も、大きな収穫であった。この両性具有の研究もまた、今後の性差研究に新しい展望を切り開くであろう。
本研究の意義は、オセアニア地域での性差観念の比較研究と並んで、出産をめぐる諸儀礼、禁忌などの宗教的観念を広い観点から調査したことにある。その一例として、月経や出産時の血の穢れなどの禁忌の事例を探究した。とりわけメラネシアで得られたこの種の知見は、今後の日本の事例をも含めて、比較研究の題材となりうる。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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