研究分担者 |
BROCHEUX Pie パリ第7大学, 講師
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (80183804)
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (10026619)
中村 圭三 敬愛大学, 国際学部・国際協力学科, 教授 (60118180)
桜井 由躬雄 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80115849)
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研究概要 |
1.メコンデルタの農村社会は,各地形の自然的条件に適合した開拓によって,19世紀後半から本格的にその多民族性,水利社会の特質を含みつつ農業発展を達成してきた.研究団は稲作条件を規定するデルタの5つの地形区分上の村落を選定し,I.実態調査(水利や作付けなど農業技術面の分析と老人を対象とした開拓の聞き取り調査),II.歴史学の手法による(フランス植民地政府文書・ベトナム共和国政府文書等の)史料収集を中心に現地調査を実施した。調査村落はa)TraVinh省HoaThuan村(海岸複合地形)、b)CanTho省ToiLai村(西部氾濫原)、c)DongThap省PhuDuc村(葦の平原地帯)、d)KienGiang省MyLam村(広大低地)、e)LongAn省KhanhHau村(ヴァムコ川流域新デルタ)の5つである。 2.そn成果は、『メコン通信』No.1〜No.5(千葉敬愛短大および敬愛大学高田洋子研究室発行・1995年〜1998年)において、フィールドノート,収集史料リスト,論文等の形式で全て掲載されている。 3.本研究は、ドイモイ政策の下でベトナム戦争終了後実施された、初めての外国人によるメコン・デルタ広域実地・歴史調査となった。本研究プロジェクトを通して、同デルタ開拓の中で蓄積された農業技術、今世紀初頭の大地主制形成と崩壊要因,氾濫原「運河社会」の形成と特質、キン族・クメール族・中国人の関係史に関する新事実が明らかになり,ベトナム革命の内在的理解および現在も進行中の農業における構造変化(緑の革命)を解明するための貴重な資史料を収集することができた。
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