研究課題/領域番号 |
07041034
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
西浦 忠輝 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター・環境解析研究指導室, 室長 (20099922)
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研究分担者 |
今津 節生 奈良県立橿原考古学研究所, 保存科学研究室, 室長 (50250379)
朽津 信明 東京国立文化財研究所, 国際センター・環境解析研究指導室, 研究員 (50234456)
松本 修自 東京国立文化財研究所, 国際センター・保存計画研究指導室, 室長 (80099960)
三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
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キーワード | タイ / レンガ造遺跡 / 劣化 / 保存 / 熱帯地域 |
研究概要 |
調査フィールドであるアユタヤ遺跡のラチャブラーナ寺院、マハタート寺院およびスコータイ遺跡のスリサワイ寺院、スリチュム寺院において、種々の調査を行った。 アユタヤのラチャブラーナ寺院、スコ-夕イのスリサワイ寺院、スリチュム寺院には無人自動記録環境計測システムを設置して、環境条件(温度、湿度、雨量、日照強度、レンガ表面温度、レンガ内部温度)を測定し解析、考察した。 アユタヤのマハタート寺院では特に顕著にレンガが劣化している部分について定点観測とレンガ含有水分の測定を定期的に行い、遺跡の構造物の条件と雨、地下水との関係について検討、考察した。また、マハタート寺院の近くにシミュレーション実験用のレンガ造小構築物を造り、定期的に含有水分量を計測すると伴に、地中の含有水分量を自動計測し、雨と地下水との関係を検討、考察した。さらにマハタート寺院内の井戸に水位自動計測センサーを設置し、年間の地下水位の変動を測定している。 スコータイのスリチュム寺院の大仏の生物劣化について詳細な調査を行い。そのクリーニングと保護処置についての試験結果をもとに、実際の処置を行った。大仏表面に付着している藻類、地衣頬等を除去した後、撥水性シリコーン樹脂溶液を含浸して、表面層を強化すると伴に強力な防水性を与え。新たな生物の繁殖を防止するものである。 以上の調査、研究の結果、レンガ造遺跡の保存のためには、それぞれの状況に即した防水処置がその基本であることが明らかとなった。
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