研究課題/領域番号 |
07041037
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
松原 正毅 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, センター長教授 (30110084)
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研究分担者 |
楊 海英 関西外国語大学, 外国語学部, 講師 (40278651)
萩原 守 神戸商船大学, 国際文化学系, 助教授 (20208424)
小長谷 有紀 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (30188750)
林 俊雄 創価大学, 文学部, 教授 (50132759)
堀 直 甲南大学, 文学部, 教授 (80140391)
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キーワード | テュルク / モンゴル / トヴァ / ウリヤンハイ / 遊牧 / 民族関係 / 石人 / 鹿石 |
研究概要 |
ロシア連邦おいては主としてトヴァ共和国において民族学および考古学的な実態調査を実施した。 まず、トヴァ共和国の首都キジルで当地の歴史・言語・文化研究所を訪問し、各分野の研究者との交流を通じて、今後の研究の課題や共同研究の可能性について情報収集をおこなった。そして当機関の研究者の案内によって、鹿石、石人、ウイグル時代の城などこれまで発掘結果などが報告されてはいるものの、外国人の訪問さえほとんどされていなかった諸遺跡、遺物について簡単な計測をふくむ実態調査をおこなった。 また、関係諸機関の特別許可を受けて、一般に第三国人には開放されていない陸路によって越境し、トヴァよりモンゴル国へ南下した。 モンゴル国では、まずフブスグル湖の西岸を北上してツァータンとよばれる人々から聞き取り調査をおこなった。彼らは、しばしばモンゴル族からウリヤンハイと他称されているものの、その言語はテュルク系のトヴァ語であり、国境によって分断されている集団の実態を把握することができた。 その後、第一突厥時代とみられている遺跡に至り、これまで知られてこなかった石碑裏面の文字資料を発見した。また、幾多の鹿石から構成された巨大な遺跡群について簡単な計測を含む考古学的調査を遂行した。いずれも、これまで実態調査がきわめて不十分な遺跡群であり、現地の文部省等に働きかけて、積極的な文化財保護を要請している。 調査期間中に、モンゴル国北部でコレラが発生し、また中央部でペストが発生したため、慎重にルートを選択しながら、首都ウランバートルへ帰還した。このため、生活様式に関する調査は不十分とならざるをえなかった。 学際的な構成からなる本調査隊の場合、今回の学術調査の成果は、研究者各自の関心に基づいてその研究論文にいかされる。
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