研究課題/領域番号 |
07041045
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 功 筑波大学, 地球科学系, 教授 (90006586)
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研究分担者 |
須山 聡 筑波大学, 地球科学系, 講師 (10282302)
丸山 浩明 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50219573)
鈴木 裕一 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70015858)
矢ヶ崎 典隆 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30166475)
松本 栄次 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10015571)
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キーワード | ノルデステ / 地生態 / セルトン / サトウキビ地帯 / ブレジョ / 白砂 / エンジェーニョ / ゴム園 |
研究概要 |
ブラジル北東部(Nordeste)は、一般に3つの生態ゾーン:熱帯季節林帯(ゾナダマタ)、半乾燥有刺低木林地帯(セルトン)、両者の漸移地帯(アグレステ)に区分されるが、本研究の目的は、人間活動、とくに家畜の放牧や農耕的土地利用の強度の違いが各生態ゾーンにおいて植生や土壌のような地生態系にどのような影響を与えてきたかを解明することにである。 本年度は、過去2ヶ年にわたるセアラ州の乾燥地帯イコ(Ico)市周辺、内陸部半湿潤地域ブレジョス(クラト-)およびフォルタレーザ周辺のピンガやカシューナッツ地帯の調査を統括する意味で、海岸部サトウキビ地帯の製糖工場ウジ-ナの調査とブレジョスを含めてサトウキビ栽培地帯の土壌劣化について調査した。 その結果、サトウキビ地帯では砂糖価格の低迷によりサトウキビ畑がゴム園や竹林、牧場に変化していることが判明した。また、ボルボレマ山地ではグラバタのような別荘団地(Prive)からなる週末避暑地が形成され、種馬牧場(Haras)も立地していることが判明した。さらに、ノルデステの余剰労働力を使った縫製工業で町興しをはかる地域もある。一方、古い火成岩からなるセルトンでは土壌の保水力が弱く、サトウキビ地帯でも白砂現象をはじめ土壌の劣化が進んでいることが判明した。生産力の低下までも砂漠化とするならば、ノルデステでも静かな砂漠化が進行しているといえよう。 なお、本研究の成果刊行費を申請してあるので、次年度はこれまでま研究成果を「ノルデステ-その風土と土地利用」としてまとめるつもりである。
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