研究課題/領域番号 |
07041052
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
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研究分担者 |
FINN Dan University of Portsmouth, Senior Res
BERNARD Case Policy Studies Institute, Researcher
布川 日佐史 静岡大学, 人文学部, 助教授 (70208924)
三富 紀敬 静岡大学, 人文学部, 教授 (80135227)
横山 寿一 金沢大学, 経済学部, 教授 (10200916)
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キーワード | 職業紹介システム / 民営職業紹介事業 / 労働者派遣事業 / 労働市場の規制緩和 / 有料職業紹介事業 / 雇用の弾力化 / 雇用形態の多様化 / 非正規雇用 |
研究概要 |
(1)スウェーデンでは、1991年に「民営職業紹介および労働者派遣法」によって初めて民営職業紹介の一部と労働者派遣事業が合法化され、その2年後の1993年に、同法の規制内容を大幅に緩和した同一名称の法律が制定された。今回、雇用省および民営職業紹介業者に対して聞き取り調査を行ったが、失業率の上昇と福祉分野など公的セクターの民営化の進展のもとで、民間職業紹介の役割が高まるとともに、紹介業種、条件等にも変化が生じ始めていることが明らかになった。 (2)ドイツで1994年8月に民営職業紹介事業が合法化されて以降の労働市場への影響について昨年に引き続き調査を行った。民間業者による職業紹介の実績は未だごくわずかで、公的機関による職業紹介の比率が圧倒的に高い。近年、非営利組織による職業紹介が活発化しており、その実情を調査し日本における同様の組織が機能しうる可能性について分析した。 (3)イギリスでは1994年の規制緩和・業務委託法によって民営職業紹介業者は政府の免許や届出なしに自由に営業している。この結果、民営業者の数やその営業実績も正確には把握できない状況が生じている。これは労働市場における職業紹介機能を分析する上でも困難をもたらしていることが明らかになった。また最低賃金制の廃止によって低賃金労働者が増大しており、かれらの職業紹介は民営業者では困難であることも明らかになった。 (4)フランスについては、公的職業紹介機関、特に幹部の職業紹介におけるANPEの役割について、ANPE調査部およびANPEの職員組合(ANPE-CFDT)からの聞取り調査を行い、民営職業紹介業者との連携に対する政策を分析した。 (5)以上の外国調査を踏まえて、日本における民営職業紹介事業の規制緩和の問題点、公的職業紹介事業の課題および民営職業紹介事業のあり方を検討した。
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