研究課題/領域番号 |
07041065
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
森澤 恵子 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (60137180)
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研究分担者 |
榎本 里司 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (80221117)
TECSON Gwend フィリピン大学, 経済学部, 教授
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キーワード | サポ-ティング産業 / フィリピン / 下請生産 / 部品調達 / ローカルコンテント / 技術形成 / 家電産業 / エレクトロニクス産業 |
研究概要 |
平成9年7月の調査では、新たにフィリピンに進出してきた日系の大手HDD組立メーカーと、その日系下請けメーカー、新たに進出した日系の半導体メーカーの企業調査を行った。フィリピンでは平成7年以降、電気・電子産業への外国からの、特に日本からの大型直接投資が続き、これまでの大手アセンブリーメーカーの調査だけでは、不十分となったためである。平成10年2月の調査では、平成9年7月に始めたHDDメーカーの日系サプライヤーの調査を継続するとともに、平成9年3月に行ったローカルサプライヤーの追跡調査、および日系、アジアNIEs系の下請けメーカーの追加調査をした。以上、3年間にわたる現地調査によって、フィリピンの家電、通信機器、コンピューター周辺機器、半導体等の産業の主要組立メーカーとその30数社のサプライヤー(ローカル系、日系、アジアNIEs系)の企業調査が可能となった。これだけでフィリピンの電気・電子産業のサポ-ティング産業の下請けメーカーの全てをカバーしたとはいえないが、主要な分野の、主要なサプライヤーの調査はできたといえる。小人数による3年間の調査ではあったが、これが可能となったのは、他のASEAN諸国と比較して、これまではフィリピンの電気・電子産業とそのサポ-ティング産業の規模が小さかったためである。しかし、今その規模は拡大しつつあり、今後はより大規模な調査が必要となろう。さらに、フィリピン在住のJETROやフィリピン政府機関(BOIや通算省の各部局)がフィリピンのサポ-ティング産業の調査を始めているので、本調査でも現地調査の度に、これらの機関からの情報収集をし、本調査による一次的な情報収集で補いきれない点をカバーした。以上の調査によって得た資料に基づいて、今後、フィリピンのサポ-ティング産業の直面している問題点、その可能性等についてのより、深い分析をし、フィリピン製造業のより深い理論的・実証的研究を進めていきたい。
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