研究分担者 |
バジルド C.E. グリーンランド地質調査所, 研究員
ベロツェルコフスキイ A ロシア, 水文気象学研究所, 教授
スチュアート R.E. カナダ, ヨーク大学, 教授
ムーア G.W.K. カナダ, トロント大学, 準教授
佐藤 昇 大阪府教育センター, 研究員 (70187219)
早坂 忠裕 東北大学, 理学部, 助教授 (40202262)
梶川 正弘 秋田大学, 教育学部, 教授 (20042319)
桜井 兼市 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50002613)
遊馬 芳雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10183732)
上田 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80184935)
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研究概要 |
1996年12月23日から1997年1月17日にかけての約1ヶ月間,スウェーデン北極域にあるキルナにおいて,冬期の北極域における水蒸気,エアロゾルの輸送過程と多結晶雪結晶の成長に関する現地観測を行った.観測はキルナ宇宙物理学研究所の施設を使用して,偏光顕微鏡による降雪粒子とレプリカ法による降雪強度,マイクロ波放射計による水蒸気量及び雲水量の測定のほか,エアロゾル・サンプラーによる電子顕微鏡用試料の採集を行った.また,観測地近くのロケット基地からラジオゾンデ8個を放球した.さらに,ロシア・サンクトペテルスブルグ水文気象学研究所の鉛値レーダーによる降雪強度の測定と地上の降雪粒子観測との比較及びラジオゾンデ観測も行った. NOAA/AVHRRやSSM/I等の人工衛星データを利用して,北極域スカンジナビア及びロシアを中心とした降雪システムの構造や降雪の特性についての解析を行っている. キルナでの水蒸気量(鉛直積分値)は、快晴時約0.4〜0.5cm,降雪時0.5cm以上で,濃密雲粒付雪結晶や霰が降る時には約1.0cmに達し,幅広い変動を示した.また,雲水量(鉛直積分値)は,雲粒付雪結晶が降る時は約0.01cm以上,霰等の時には約0.035cmまで増加した.これらの変動は,降雪をもたらす擾乱の型に依存していた. 雪結晶の観測は,35m/mフィルム42本,レプリカ163枚のデータを収集することができ,低温型雪結晶も多数観測された.
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