研究分担者 |
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
鷹野 澄 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80134659)
笠原 順三 東京大学, 地震研究所, 教授 (70012953)
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
|
研究概要 |
観測点設置地点を選定するための7月の現地調査で,観測点候補地の決定,パラオ側の窓口及び両者の協力に関する合意事項の確認等が行われ,計画は順調に進んできた.11月に入り,観測点を設置する合意が成されていた防空壕がパラオ側の都合により利用できないことになった.そこで,急遽,新しい観測点候補地の選定を行い,当初予定された候補地と同等の観測点に最適な場所の選定し,直ちに観測点として使用するために必要な手続きを済ませ,補修等にかかった.3月には,帯広域地震計とデータ収録装置を設置し,観測を開始した. 現在,パラオでは観測点を設置したコロール島内に光ファイバーによるインターネットの敷設が進行しており,完成の折りには本計画の観測点でもコンピュータネットワーク接続が可能となるようパラオ側で準備することを確認した.このように,海外,特に開発途上国での観測点設置では,最近のネットワーク関連の急速な技術革新・展開により,事前調査の段階では予測されない通信ネットワークの整備が進行している.そこで,今後計画する観測点のデータ収録システムは,このような環境整備に即座に対応できるより柔軟性のあるものを当初から考える必要がある. 本研究計画で得られた観測データは,即時に東京大学地震研究所のプレポセイドンデータセンターを介して,世界中の研究者に公開される.今回,パラオに設置した地震計は広帯域・高ダイナミックレンジのものであるため,そのモニター記録を監視するだけでも,環太平洋地域に発生する地震のおおよその規模を推定でき,パラオに津波をもたらす地震であるかどうかの判断材料となる. このように,本研究計画の目的の内,本年度取り組む予定である1)フィリピン海プレートを取り囲む高性能地震観測網の完成,2)データ収集の効率化は,順調に遂行された.
|