研究分担者 |
VRUBLEVSKY A ロシア科学アカデミー, 広域問題総合解析研究所, 副所長
KHANCHUK A.I ロシア科学アカデミー, 極東地質学研究所, 所長
BERDNIKOV N. ロシア科学アカデミー, 構造地質地球物理学研究所, 主席研究員
RODIONOV S.M ロシア科学アカデミー, 極東資源研究所, 主席研究員
ROMANOVSKY N ロシア科学アカデミー, 構造地質地球物理学研究所, 所長
根建 心具 鹿児島大学, 教養部, 教授 (10107849)
佐藤 興平 工業技術院, 地質調査所, 主任研究官
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研究概要 |
シホテアリン北部のアニュイ川およびゴビリ川に分布する花崗岩および変成岩について調査した.その結果,多くの地点で,泥質岩からチュートに至るシークエンスと,玄武岩質岩石の分布をみることができた.これは,この地域が付加体として生成したことを強く暗示するものである.また,花崗岩について比較的良好な帯磁率測定を行うことができた.現在,採取した試料の薄片観察,年代測定,包有物の解析などを行っている.この地域で数十年前に採掘された実績を持つベリリウム鉱床の調査を行ったが,アプローチが長くグライゼンおよび小規模の緑柱石・電気石・石英脈を見つけたにすぎない.この地域一帯には,抽出石英脈や小規模なペグマタイトが生じており,これらと鉱化作用との関連について室内実験を続けている. シホテアリン南西部,ウラジオストック市西方の古生界の花崗岩および変成岩を調査した.この地域にも顕著な鉱化作用はないが,シホテアリンから日本列島にわたる全体の地質環境を知る上で,重要な箇所である.また,ナホトカ市東方の花崗岩体とこれに成因的に関係して生じたKrivaya Litovka金鉱床およびKrinichnaya銀鉱床について調査を行った.前者は花崗岩中に数十条の含金石英脈の集合体が胚胎するもので,微細な自然金を見つけることができた.採取した試料中には常温で液体二酸化炭素を含む流体包有物が豊富に認められ,特異な環境で生成したことを物語っている.この鉱床の下流域で椀掛けをした結果,微細な漂砂金を採取することができた.現在,これらの金粒について,電子顕微鏡による観察およびEPMAによる化学組成分析を行っている.後者は花崗岩中に発達した含銀錫石英脈である.主要金属鉱物であるカンフィールド鉱の化学組成分析と石英中の流体包有物の解析を行っている.
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