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1997 年度 実績報告書

日本の赤と中国の赤〜構築物と環境との関係にみられる色彩とデザインの国際比較的東アジアにおける事例的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07041112
研究機関神戸芸術工科大学

研究代表者

近藤 公夫  神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (60031647)

研究分担者 王 敏  東京成徳大学, 人文学部, 助教授 (30296371)
日色 真帆  愛知淑徳大学, 現代社会学部, 助教授 (50222237)
三上 晴久  神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (80229658)
廣川 美子  名古屋市立大学, 芸術工学部, 教授 (40001234)
川村 政美  神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (20214702)
キーワード日本の赤 / 中国の赤 / 三内丸山 / 赤漆 / 東アジア文化
研究概要

日本の文化史に1000年前の金色堂に見られる黄金よりも、500年前の銀閣に銀をもって蔽った漆のただずまいを好ましいかに思う今日の心象、その心象が形成された風景の源流を三内丸山以来の伝統に考えるのは是か非か。あえて日本の赤をめぐる景観の源流として三内丸山の風景をとりあげ、そこに出土した赤漆の色に「日本の赤と中国の赤」に関する,調査研究の拡大と深化に係わる発展的な端緒を求めたいと考える。おそらく今日の科学をもってすれば什器に見られる彩文の赤漆について、あるいは同様に出土している黒漆などに関しても、その原色を解明して三内丸山の文化に迫る可能性は考えられよう。そこから四季の自然に恵まれ秋季の紅葉があざやかな東北日本にあって、今も日本民族の心象に伝わる縄文文化に投影された赤の風景を、その植生に見られる景観の変化から考え得るとも思われる。さらには重ねて司馬遼太郎氏がこの地を北のまほろばと記した秋色を思えば、日本の赤についての源流を縄文時代の赤漆と山野の紅葉から妄想した次第について、ひとつの心象的な風景へと思いを致さざるを得ない。4000年前以上もの太古に三内丸山社会が見せた情景、遠近の人々を集めた祭祀のにわに赤が演じた風景とは何であったのか。それは後世の神前に舞う乙女達の白衣紅裳と果たして連なるものか、あるいは東アジア文化に如何なる位置を占め、それは如何なる変遷を経て今日の伝統文化と結ばれ得るのか。それは自然科学から考古学そして歴史学から文化人類学、それぞれの検討を総合した上に新しい展開を今後に期待させる課題に連なるであろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 日色, 橋浦, 廣川: "中華街における色彩景観「赤」に関する研究-神戸・横浜・長崎の事例を通して-" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第37号. 85-88 (1997)

  • [文献書誌] 廣川, 阪口, 菊地, 寺田: "科学的方法による伝統的土壁の色彩と表情の再現-現代的土壁の提案に向けて-" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第37号. 89-92 (1997)

  • [文献書誌] 川村, 吉村, 廣川: "国旗の色彩構成-環境デザインにおける国旗や旗の役割-" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D-I. 777-778 (1997)

  • [文献書誌] 近藤 公夫: "中国の赤「長安の春」芸術工学'96" 神戸芸術工科大学, 74-81 (1997)

  • [文献書誌] 近藤 公夫: "日本の赤と中国の赤" 近藤公夫(印刷中), 1-25 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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