研究課題
平成7年度は、中国の廃棄物処理処分の基礎情報を得るため、中日友好環境保護センター、清華大学の強力を得て、現場踏査、ヒアリングを実施した。特に、北京市内では有価物収集業者へのヒアリングを通して、有価物の売買価格を明らかにした。更に、北京市の協力を得て、北京市内における廃棄物処理処分のフローを取りまとめた。一方、これまで不明であった北京市内の堆積場と呼ばれる、非衛生埋立地の実態調査も実現し、浸出水及び発生ガスの状況も把握し、かつ分析を実施した。西安市では、開設した衛生埋立地の実態調査を行ない、中国における埋立廃棄物の分解過程の特徴を把握した。特に、日本で研修を受けた技術者を通して準好気性埋立概念が徐々に普及しつつあるものの、埋立地の立地条件、廃棄物質の違いにより、我国で解明されている分解過程と異なり、酸発酵期とガス化が同時に進行しており、浸出水の水質とメタンガス発生の問題への対策が急を要することも明らかとなった。又、研究代表者らが西安市及び清華大学で開催した、中国での最初の衛生埋立に関する簡易セミナーは好評であった。本年度は、中国側の分担者も驚く程の情報収集と、埋立地の実態調査が実現し、衛生埋立地への改善の方向と準好気性の可能性を得ることができた。上記の成果は、全国都市清掃研究発表会(東京)及び廃棄物の処理処分に関する国際セミナー(鹿児島)で発表した。又、招へいした中国側の分担研究者も福岡で開催した"簡易セミナー"で、中国の廃棄物埋立の現状の報告を行った。以上のように、本年度は、当初の計画を上廻る成果が得られ、次年度以降の基盤を作ることができた。
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