研究分担者 |
欧陽 訥 中国国家環境保護局, 中日友好環境保護中心, 副総工程師
米田 昌隆 日本海環境サービス株式会社, 環境センター, 所長代理
伊永 隆史 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30124788)
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
川平 浩二 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30025457)
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
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研究概要 |
中国のほとんどの地域で,地下水が高濃度のフッ素を含むことから,飲料水はもとより,工業用水,農業用水,水産業用水への利用が大きく制限されている。その対策として,(1)河川水との併用,(2)フッ素濃度のより低濃度の地下水を得るためにより深い井戸を掘る,などの対策が考えられている。しかしながら,前者では河川用水の需要の急増と産業発展に伴う河川水の汚染、後者では掘削における経済的負担が大きいなどの理由により,フッ素濃度の高い地下水を安価な方法で処理して利用することが望まれている。このような中国における実態をふまえて,中国の経済的,技術的現状と調和の取れた,地下水質の改善技術の開発をエコマテリアル的なアプローチによって行うことを目的とした。 水溶液中のフッ素を除去するには,凝集沈殿法と吸着法が考えられるが,地下水の飲水への利用を目的とした処理では,吸着法が適当である。吸着剤としては,比較的安価である活性アルミナを用い,さらに経済的に運転することを目的として,吸着剤の繰り返し使用を行えるシステムの考案を行った。さらに,このシステムでは,フッ素除去における2次的汚染を回避するために吸着剤の再生プロセスでは廃棄物が排出しない反応を工夫している。すなわち,吸着剤の再生に用いる再生溶液としてアルミニウムイオン水溶液を用いて,アルミニウムイオンの凝集,溶解を組み合わせることによって最終的に再生溶液中に溶解してきたフッ化物イオンはフッ化カルシウムとして回収し,アルミニウムイオンは廃棄することなく繰り返しリサイクル可能なシステムとした。現在このようなシステムが,中国における地下水のフッ素除去効果についての評価を行っている。
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