研究分担者 |
米田 昌隆 日本海環境サービス(株), 環境センター, 所長代理
石坂 昭三 富山国際大学, 教授 (10062499)
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
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研究概要 |
(目的) 中国の広い地域において地下水がフッ素によって汚染されており,その飲用水,工業用水としての利用が著しく制限されている。このような多量の汚染地下水を処理する際には,汚染水から効率よくフッ素を取り除くだけでなく,中国の技術,経済,環境事情と十分調和がとれ,水処理によって新たな環境負荷を発生しない,いわゆるエコテクノロジー(環境調和技術)の概念に基づく高度処理技術が求められる。本研究ではこのような水質改善技術の開発を,環境材料(エコマテリアル)工学的に行った。 (結果) 1)従来からフッ素汚染水処理に用いられている活性アルミナを用い,吸着したフッ素をフッ化カルシウムとして再利用するプロセスを考案した。このことにより,従来の水処理法で問題となっているスラッジの減量化が可能なことに加えて,回収したフッ化カルシウムを工業原料に供する事が可能である。このシステムの実現に向けて,平衡論的な解析を試みた。 2)リン酸カルシウムが汚染水と反応して,天然フッ素資源の一つであるフッ素アパタイトに転化する反応を利用した水質改善技術を提案し,本法により,フッ素汚染水を高度処理できることを明らかにした。 上記2種のアプローチは,いずれも汚染水中のフッ素を資源として回収し,再利用することを目指しており,これまでの水処理技術と異なる資源回収型水処理技術といえるものである。 また,中国における地下水中のフッ化物イオン以外の有害性分に関する調査を行った結果,中国の地下水にはフッ素に加えてヒ素などの有害物質が含まれていることが明らかとなり,地下水中の複数の有害物質を同時に取り除くことができる水質改善技術の開発も必須であると考えられた。
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