研究課題/領域番号 |
07041129
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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研究分担者 |
OYAMA Ken メキシコ国立大学, 生態学センター, 準教授
副島 顕子 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (00244674)
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キーワード | 分子系統 / 種間比較 / ステビア / メキシコ / 染色体数 / 有性生殖 / 無性生殖 / 生活史 |
研究概要 |
本研究は、メキシコ産ステビア属の種間の系統関係を明らかにし、交配システム(有性生殖・無性生殖)、生活史(1年草・多年草・低木)、花の形態、染色体数などがどのような関連を持って進化したかを明らかにすることを目的としている。この目的を達成するために、(1)現地調査によって分子系統学的研究のためのDNA資料、染色体研究のための生植物資料をできるだけ多くの種について収集すること、(2)ハ-バリウム調査によって種レベルの分類の混乱を整理し、モノグラフを完成することを具体的な課題として、海外における調査研究を実施した。本年度はメキシコ・オアハカ州、ゲレロ州、グアダラハラ州を中心とした現地調査を実施し、またテキサス大学・ミズ-リ植物園・フィールド博物館などを訪問し、標本調査を行った。その結果、(1)に関しては、過去200年間採集記録のなかったStevia phlebophyla、タイプ標本のみが知られていたS.karwinskiniana,S.seemanioidesをはじめとして、メキシコ産ステビア属の種の約65%の種を本年度の調査で採集した。これらの資料について、現在DNA抽出・配列決定作業を進めている。予備的なデータから、多年草の系統で無性生殖が進化する頻度が高いことが明らかになっている。(2)については、アメリカ合衆国・ヨーロッパのハ-バリウム標本(タイプ標本など)の調査から、97%の採集品について種の同定を行えるようになった。この過程でいくつかの新種が認識され、その一つについてはすでに合衆国の専門誌に発表した。
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