研究課題/領域番号 |
07041136
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 烈司 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (20109086)
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研究分担者 |
ESCOVAR R. コロンビア国立地質学鉱物学研究所, 副所長
小林 秀司 日本モンキーセンター, リサーチフェロー (50260154)
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
茂原 信生 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20049208)
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キーワード | ボリビア / コロンビア / 霊長類 / 地質学 / 古生物学 / ブラニセラ / スタートニア / 臼歯 |
研究概要 |
ボリビアのサジャ地区において、前期漸新世の霊長類化石の発見を主目的に、地質学的調査と古生物学的調査を実施した。コロンビアにおいては1977年以来、10種におよぶ霊長類化石の発見に成功してきたが、霊長類の地理的・生態的分布および系統学的研究を深化させえるためには、コロンビア以外の地域に調査地域を求めなければならない。コロンビアとは異なる霊長類化石の発見が期待され、今後の南米における霊長類の系統進化の研究にとって、ボリビアでの調査によって新たな展開が望まれるのであった。今年度調査によってブラニセラと思われる霊長類の下顎のほぼ完全な化石を発見することに成功した。今後も同地域を中心に、広域調査を展開すれば、良好な化石が保存されている地域が特定でき可能性がある。今後は、広域調査によって、霊長類化石の発見につとめたい。 コロンビアのラ・ベンタ地域において、中期中新世の霊長類化石の発掘を種目的とした古生物学的調査と地質調査を実施した。前年度には表面採集によって新たな地点からホエザルの祖先の化石スタートニアの小臼歯2個を発見した。その新地点において本年度は、水洗ふるい分け方による微小化石の収集に努めた。この地点からは、追加資料の発見はできなかったが、別の地点において、乳臼歯と小臼歯を発見し、それらが霊長類の歯の化石であることを確認した。それら地域の詳細な地質図作成のための地質調査を並行しておこなった。 南米霊長類の類似の標本を所蔵しているフロリダ大学およびカリフォルニア大学バークレー校におもむいて、本年度に発見された化石標本と比較検討をおこなった。その結果、本年度に我々が発見した霊長類化石は、これまでに発見されているどのサル類化石とも対応しないことが判明した。新しい種類の霊長類である可能性が高く、これを確定させるには、臼歯の化石が発見されなければならない。今後の調査によって、大臼歯の発見に全力をかたむけたい。 ブラジルの調査では、博物館に所蔵されている現生広鼻猿類の骨格標本の計測をおこない、統計学的な解析をおこなうことを主目的にしている。リオ・デ・ジャネイロ、ベレン、マナウスの3都市のの博物館で調査を実施した。本年度は主として、ティティモンキー、マ-モセット、タマリン類の頭骨および歯牙の計測をおこない、分岐分析学的研究ならびに統計学的解析のための基礎データの集積につとめた。あわせて、それら標本の歯列のシリコン型をとって、日本に持ち帰り解析するするための材料とした。
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