研究課題/領域番号 |
07041137
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 英実 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60027480)
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研究分担者 |
星野 光雄 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (40023626)
仲谷 英夫 香川大学, 教育学部, 助教授 (20180424)
国松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
中務 真人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00227828)
沢田 順弘 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80196328)
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キーワード | ホミノイド進化 / 人類起源 / 化石 / 中新世 / 古環境 / ケニア / ナチョラ / サンブル・ヒルズ |
研究概要 |
人類起源の時と場所は長く謎に包まれていたが、人類学をはじめとして古生物学、分子生物学などにおける長足の進歩がその時と場を絞りこみ、中新世後期のアフリカがその最有力候補となっている。本調査の目的は、中新世ホミノイドの進化と人類起源の解明を意図している。 具体的には日本人研究者を中心とした本調査隊がこれまでに大量に発見しているケニアビテクス化石の産地、ナチョラ地域と、後期中新世ホミノイドであるサンブルピテクスの産出地、サンブル・ヒルズの両地域おける発掘調査を前年度に引き続いて行うことが中心であり、加えて連合王国、ベルギーの自然史博物館において化石解析のための比較資料の収集であった。 今年度の調査、発掘の主な成果は、咋年と同様にナチョラ地域におけるホミノイド化石の発見と、サンプル・ヒルズでの長鼻類を含む哺乳動物化石の発見であった。ホミノイド発見の主な化石産地は・ナチョラ地域のBG-KおよびBG-13化石産地であった。前者からは昨年度に発見している同一個体に属する骨格標本に追加という形でさらに四肢・体幹骨化石が発見され、ケニアピテクスの体格復元上極めて貴重な化石標木となった。また、BG-K化石産地からは岩に埋もれた状態で下顎骨が発見され、その新鮮な咬合面からは詳細なマイクロウェアー観察が期待される。 ケニアピテクス化石の解釈としては、ロコモ-ショシ様式は樹上四足歩行型、食性はマメ類や他の堅果が主体と推定される。系統的にはサンブルピテクスや現生の大型類人猿の共通祖先と考えられ、さらなる詳細は今後の発掘と分析にかかる。
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