研究課題/領域番号 |
07041138
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 利貞 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011647)
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研究分担者 |
高崎 浩幸 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (70222081)
五百部 裕 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20252413)
WAKIBARA Jam タンザニア国立公園公団, マハレ公園, パークエコロジスト
和 秀雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60072675)
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キーワード | マハレ山塊 / チンパンジー / アカコロブス / 資源利用 / 採食生態学 / 植生 / 棲息密度 / 社会行動 |
研究概要 |
前年産までに調査した約15キロに加え、あらたに湖岸地域と山岳地域の観察路合計12キロについて、道の両幅各5mの胸高直径30cm以上の樹木、地上から1mの直径が5cm以上の本性蔦のすべてをリストアップした。また、これらにプラスチック・ラベルをつけ、フェノロジーおよび果実資源量の調査を毎月1回おこなった。これらは、中村・伊藤・西田とタンザニア人助手との共同作業である。伊藤と西田は採食パッチのサイズ、分布、利用頻度、パーテイ・サイズそれらの季節変化など資源利用パターンを調べた。他に西田は狩猟活動と分配を観察した。和は腸内寄生虫の検査をおこない、また性ホルモンの変化を実験室で調べるために、周期メスの糞を収集し持ち帰った。ワキバラは、侵入樹種セナ・スペクタビリスに樹皮はぎ、伐採、稚樹の除去、除草剤の注入などの介入をおこない、その結果をコントロール林と比較した。中村は毛づくろい行動の発達、交渉相手数、交渉パターンなどの資料を集めた。坂巻はチンパンジーの出会いの交渉をビデオ録画した。こうして得られた資料は、現在分析中である。今期調査の新発見として、アルファオスの交代のさいに現アルファオスの方を3頭の大人メスが応援したこと、老齢個体(40歳以上)に虫歯はほとんどなく、ほぼすべての歯が揃っていること、淡水の藻の初の採食記録、他個体の背を引っ掻くのがマハレ独自の文化行動であること、などがある。なお、8-10月の3か月にわたり、3つの撮影チームがはいってチンパンジーの行動を撮影した。このラッシュビデオの分析からも多くの成果を期待できる。
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