研究課題/領域番号 |
07041141
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
内藤 親彦 神戸大学, 農学部, 教授 (70031226)
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研究分担者 |
桜井 一彦 成城大学, 短期大学部, 助教授 (80259118)
中西 明徳 姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 教授 (40038469)
嶌 洪 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (70038280)
三枝 豊平 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (30038450)
日高 敏隆 滋賀県立大学, 学長, 教授 (70014892)
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キーワード | 中国陜西省 / 日華区系要素 / 種多様性 / 系統解析 / 遺存昆虫群 / 固有種 / 新属 / 新種 |
研究概要 |
本年度は、6月14日から7月15日まで、日本人5名中国人5名によって陜西省の秦嶺山脈一帯において、膜翅目、双翅目、鞘翅目昆虫を中心に、多様性の野外調査ならびに系統分類、生態、進化遺伝等の研究を行なつた。本調査では、ハバチ類約1800個体、寄生バチ類約3000個体、オドリバエ・アシナガバエ類約50000個体、タマバエ類約3000個体、ヤドリバエ類約2000個体、ショウジョウバエ類約1500個体、ハナノミ類を含む甲虫類約6000個体を採集するとともに、調査可能な昆虫については生態調査も行なった。。これらを標本作成し、種の同定と系統解析を進めている。中国人研究者等は、ショウジョウバエ類の遺伝情報の解析を進めている。 新たな知見としては、秦嶺山脈の昆虫相は、これまで調査した雲南省、貴州省、四川省と比べ、日本の温帯域の昆虫相に最も強く関連性がみられる。属レベルでは80%以上が共通し、種レベルでも多くの共通種が含まれてるとともに、日本固有種に近縁な新種も数多く採集されている。。しかし、熱帯・亜熱帯性の属や種、地域特異性の強い新属なども採集され、この地域の複雑なファウナが浮き彫りになってきた。現在までに明らかにされた具体例としては、世界的に珍しい遺存性ヨフシハバチ科Blasticotomaの中国新発見、中国からは未記録とされる寄生蜂カギバラバチ科1新属を含む5属の発見、日本固有種とされてきたヤドリバエ科ProdegeeriaおよびDrinomyia hokkaidensisの新発見、日華区系特異的なアシナガバエ科Diostracus15種の発見、ヒマラヤ固有属であったオドリバエ科Ephydrempisの新発見、日本との強い関連を示すハナノミ科1新属の発見等があげられる。
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