研究課題/領域番号 |
07041142
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
|
研究分担者 |
AGODZO Samps ガーナ国科学工学大学, 農業工学, 講師
鳥井 清司 京都大学, 農学部, 助教授 (40026563)
新村 義昭 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80206333)
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
林 静夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教授 (00038316)
駒村 正治 東京農業大学, 農学部, 教授 (60078194)
大槻 恭一 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (80183763)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
|
キーワード | 気候特性 / 西アフリカ / 東アフリカ / 地表水 / サバンナ帯 / ステップ帯 / 土壌侵食 / 因子分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、乾燥地の潅漑農法に伴う砂漠化機構を明らかにし、持続的な潅漑技術について提言を試みることにある。平成8年度は、西アフリカからニジェール国とガーナ国、東アフリカからケニア国を現地調査した。 ニジェール国は北緯12〜22度に分布し、南から北に乾燥亜湿潤(サバンナ)帯→半乾燥(ステップ)帯→乾燥帯→極乾燥帯に推移する。調査地区はニアメ市周辺でステップ帯に属する。年降雨は500〜800mmで雨期は4月〜9月である。因子分析では雨期の湿潤度は鳥取と同程度、乾期の乾燥度はイラン国と同程度を示し、年間の気象環境の軟差が著しい。河川水,伏流水,地下水が豊富で潅漑可能地は多いが、潅漑施設は未整備の状態である。ガーナ国は北緯5〜11度に分布し、主要水源は地表水で水量が豊富である。主要な輸出換金作物はココア、サトウキビ、バナナ、油椰子等であり、国内消費用作物はトウモロコシ、ミレット、ソルガム、稲等である。調査地区のアクラ、クマシは、それぞれ、年2回の雨期を有する海洋サバンナ帯と落葉森林帯、タマレは年1回の雨期を有するスーダンサバンナ帯に属す。落葉森林帯では輸出用木材の無計画は伐採による森林破壊が急速に進み、またサバンナ帯の開発重点プロジェクトでは環境汚染が深刻で、政府の各種対策が強化されている。地形は平坦であり、土壌侵食は風食が多く発生し北部が顕著である。また降雨に対応してガリ水食も多い。ケニア国は南緯5〜北緯5度に分布し起伏の大き地形を有する。調査地区はナイロビ周辺とマリガート地域でいずれもサバンナ帯に属する。紅茶,コーヒー,麦,黄麻,パイナップル等の広大な潅漑農地が発達している。気象、水資源に恵まれ、潅漑可能地も多い。傾斜地ではガリ侵食が著しい。マリガート地域ではペルケラ潅漑プロジェクトにおいて穀類、野菜、果樹等が年間通じ積極的に栽培されている。
|