研究分担者 |
庚 鎮城 中国復旦大学, 教授
CRISTBOL A C Buenos Aires大学, 医学部, 講師
RUBENS Belfo Paulista医科大学, 医学部, 教授
KHALID F Tab King Saud大学, 医学部, 教授
伊藤 典彦 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80264654)
中村 聡 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00237398)
杉田 美由紀 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90235888)
小野江 和則 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (40002117)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
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研究概要 |
本年度はこれまでの国際学術調査の一環として平成七年度までに訪れたギリシャ,イタリア,サウジアラビアの3か国でHLAの血清タイピングを行ったベーチェット病,原田病および原因不明のぶどう膜炎患者の結果をまとめ,さらに日本に持ち帰った検体について,DNAタイピングを始めとする分子遺伝学的解析を行った。従来日本でベーチェット病の疾患感受性遺伝子と考えられているHLA-B51の頻度はギリシャ74%(健康成人17%),イタリア67%(14%),サウジアラビヤ85%(27%)と,明らかな上昇がみられた.今回訪れたイランのベーチェット病患者から得た検体のDNAタイピングは現在解析中である.また未知の遺伝子を同定することを目的として,これらの検体についてHLA-B,-C遺伝子を含むYACクローン(Y109)を用いてHLAクラス1遺伝子領域の構造解析を行った.その結果HLA-B,-Cを含む230kbの全塩基配列を決定し,ノザンハイブリダイゼーションにより新しい遺伝子を5個(NOB1-5:New organization associated with HLA-B5)を同定した.さらに場所の不明であったP5-6遺伝子をこの領域に同定し,また,MICAのコーディング領域(TM領域)に反復単位が3塩基のマイクロサテライト多型性(6アリル)を見出した.原田病については一昨年度にアルゼンチンの患者の解析結果でDRB1遺伝子ではHLA-DRB1*04(0404)という日本人と共通の遺伝子相関がみられたのに対し,DQ遺伝子ではDQB1*0302と,日本人とは異なる相関がみられた事から,原田病の疾患感受性遺伝子はDRB1*04遺伝子と考えられ,昨年度訪れた3か国の検体について解析を行っているところである.また,アメリカ在住の日系人ぶどう膜炎患者について,アメリカの各研究センターでの予備調査を行っている.
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