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1995 年度 実績報告書

アジアにおけるHTLVの病態および分子進化と人類学的背景の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07042008
研究機関鹿児島大学

研究代表者

納 光弘  鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)

研究分担者 グルセヴィッチ ウラジミ  モスクワ癌研究センター, ウイルス発癌部, 部長
井戸 栄治  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70183176)
三浦 智行  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
石田 貴文  東京大学, 理学部, 助教授 (20184533)
有村 公良  鹿児島大学, 医学部, 講師 (20159510)
藤吉 利信  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50173480)
速水 正憲  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
キーワードヒト細胞白血病 / HTLV-1 / STLV-1 / HAM / オランウータン / ピグミー
研究概要

「昨年度に引き続き、汎大陸型の中心地と考えられるインド南部の調査、既知のエンデミック地域間を結ぶ空白地帯の調査、およびヒト・サル間での異種感染の可能性を検討した。また本調査とは別途入手したピグミー、イラン等のHTLV-1を解析した。」
1.成績
(1)カムチャッカ少数民族672検体は全て陰性。サハリン少数民族ニブヒ138検体中4例が陽性。うち1つは汎大陸型の中で、アイヌよりも琉球のHTLV-1に近縁。
(2)スマトラ・カリマンタンのオランウータン72例中1例陽性。解析した1例はメラネシアHTLV-1とマカクのSTLV-1と同様に古くから分岐したものであった。
(3)インド南部の4例は全て汎大陸型で、日本型が少ないことが判った。
(4)マレーシアのリンパ腫患者で抗体・PCR陽性例がみつかった。
(5)南アフリカ・クウェート・イランのHTLV-1は汎大陸型で、インドとの関連が考えられた。
(6)ピグミーのHTLV-1は、中央アフリカHTLV-1/チンパンジーSTLV-1群に近縁であったが、アフリカミドリザル群のSTLV-1に属することが判った。
2.考察
(1)サハリンのニブヒのHTLV-1がアイヌよりも琉球のHTLV-1に近いことは興味が持たれる。
(2)インドネシアのオランウータンより初めてSTLV-1の分離・解析を行った。メラネシアのHTLV-1が最も早くから分岐したことが知られており、オランウータンSTLV-1との関連に興味が持たれたが、中央アフリカHTLV-1とチンパンジーSTLV-1とのような密接な関連を見いだせなかった。
(3)インド南部は汎大陸型と日本型とが存在し、早くから分岐して多様性をもつことから、汎大陸型の起源の上から重要であり次年度から本格的な調査に取り組む体制を整えた。
(4)ピグミーのHTLV-1が中央アフリカHTLV-1/チンパンジーSTLV-1群よりもアフリカミドリザルSTLV-1群に属することが判り、種間感染があったものと推察された。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Gurtsevitch,V.,Hayami,M.,et al.: "HTLV-1 infection among Nivkhi people in Sakhalin." Int.J.Cancer. 60. 432-433 (1995)

  • [文献書誌] Blank,M.,Hayami,M.,et al.: "Distribution of HLA and haplotypes of Colombian and Jamaican black populations." Tissve Antigens. 45. 111-116 (1995)

  • [文献書誌] Yamashita,M.,Hayami,M.,et al.: "HTLV-I from Iranian Mashhadi Jews in Israel is phy logenetically related to that of Japan,India,and South American rather than to that of Africa and Melanesia" Virus Gene. 10. 85-90 (1995)

  • [文献書誌] Voevodin,A.,Hayami,M.,et al.: "Molecular characterization of human T-lymphotropic Uirus,type 1 (HTLV-1) found in Kuwait : close Similarity with HTLV-1 isolates originaling from Mashhad,Iran." AIDS & Human Retroviruses. 11. 1255-1259 (1995)

  • [文献書誌] Yamashita,M.,Hayami,M.,et al.: "Presence of the widespread subtype of HTLV-I in South Africa" AIDS & Human Retroviruses. 11. 645-647 (1995)

  • [文献書誌] Yamashita,M.,Hayami,M.,et al.: "Prevalence and phylogenetic characterization of HTLV-I isolates from far Eastern Russia" Molecularnaya Biologia. 29. 1172-1182 (1995)

  • [文献書誌] Fujiyoshi,T.,Hayami,M.,et al.: "Ethnic segregation of HTLV-I and HTLV-II carriers among South american native indians." Int.J Cancer. 63. 510-515 (1995)

  • [文献書誌] Chen,J.,Hayami,M.,et al.: "HTLV-I isolated from a Pygmy in Cameroon is related to but distinct from the known central African type." AID & Human Retroviruses. 11. 1529-1531 (1995)

  • [文献書誌] Yamashita,M.,Hayami,M.,et al.: "The Phylogenetic relationship of HTLV-I from non-Mashhadi Iranians to those from Mashhadi Jews." AIDS & Human Retroviruses. 11. 1533-1535 (1995)

  • [文献書誌] Babu,P.G.,Ishida,T.,et al.: "Prevalence of HTLV-I/II Anti bodies in HIV Seropositive and HIV seronegative STD patients in Vellove ragion in southern India" Scand J.Infect.Dis.27. 105-108 (1995)

  • [文献書誌] Ishida,T.: "Human T-lypmhotropic retrovirus type-1 (HTLV-1) and its distribution in Asian population" Southeast Asian J.Trop.Med.Publ.Health. 26. 182-189 (1995)

  • [文献書誌] 石田貴文: "講座文明と環境 第8巻 動物と文明 「ウイルスと人間の歴史」" 朝倉書店, 12 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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