研究分担者 |
毛 振明 北京体育師範学院, 学校体育研究所, 助教授
浦井 孝夫 秋田大学, 教育学部, 教授
杉山 重利 島根大学, 教育学部, 教授 (30263495)
團 琢磨 岡山大学, 教育学部, 教授 (50032496)
|
研究概要 |
近年における急激な社会の変化の中で学校教育が果たす役割はますます増大している。また世界的レベルでの教育改革の動向がみられる昨今,日中両国の体育科教育には大きな転換がみられる。日本では国民生活の水準の向上や余暇時間の増大などによって国民のスポーツ欲求が高まりをみせ,体育科教育は健康体力の増進より生涯スポーツの基礎づくりを指向した実践活動へと転換が図られている。一方、中国においても先進諸国の取組みを研究しつつ体育授業の改善が図られている。その動きは我が国の動向とは必ずしも軌を一にしてはいないが体育科教育の改善の方向は今後接近していくものと思われる。 本研究は,日中両国の体育科教育の目標,学習内容,指導法などの共通点や相違点などの比較研究を行うとともに,両国の社会の変化が体育科教育に与えている影響などを教育課程の変遷などを踏まえて明らかにし,両国の体育科教育の一層の発展と今後の研究活動の交流の深化に資することを目的とした。研究に当たっては,両国の文教行政における体育科教育の位置付けの比較,両国の体育科教育の史的変遷の比較,国家的基準である体育教学大綱や学習指導要領の比較研究などを行うとともに,体育教員を養成している北京体育大学などの研究者との討議を通じて中国側が目指す学校体育指導者像の把握にも努めた。さらに小・中・高等学校の授業の実際を調査し体育授業の実践状況についても調査を行った。 今回の国際比較研究を通して,中国の学校体育の理論的指導者たちと今後の研究交流を約すことができた。本研究を契機として両国の学校体育関係者の相互研究や相互交流が一層深まっていくものと確信している。
|