研究分担者 |
INMAN David サウスバンク大学, 情報学部, Senior lec
HARRISON Ric メルボルン大学, 日本・中国研究学科, 講師
松崎 寛 東北大学, 文学部, 助手 (10250648)
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
大坪 一夫 東北大学, 文学部, 教授 (20115538)
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研究概要 |
1996年度も,前年度同様,3月から10月にかけて,メルボルン大学の日本語学習者と東北大学日本語教育学の学部学生・院生との間で,コンピュータ通信による日本語の「文通」を行った。メルボルン大学側が授業の一環として実施したことも前年と同じであるが,違った点は分担者ハリソンの担当クラスが,前年度よりも1つ下のレベルのクラスとなったことである。これにより,クラスの人数も6〜8倍になり,日本語レベルも中級〜上級まで幅広い学習者によって構成されるグループが,本研究のオーストラリア側の対象者となった。必然的に,運営方法も,前年と同じにすることはできず,1学期の途中からは,どんな情報をメールに書くべきかのガイドラインを学習者に与えることにした。 また,前年度の特徴の1つで,豪日双方の参加者に大変好評だったインターネットによる「テレビ会議」も,96年度は人数の点で実施不能となった。これに関して,2年連続でこのプロジェクトに参加した東北側の学生は,互いにリアルタイムで顔を見ながらコミュニケ-トする場があるほうがメールが書きやすくなる,と述べている。日本語能力に問題のないネイティブでも相手に親近感が持てるかどうかが書きやすさのポイントとなるのなら,学習者の場合はなおさらであろう。 全体としては,学習者のレベルがやや下がったことで,95年度とはかなり違った結果が見られる。コンピュータ通信を日本語学習の中に持ち込むには,学習者のレベルを充分考慮した通信タスクを設定しないと負担感ばかりを感じることになると言える。今後は学習者レベルに合わせた利用法の検討が急がれる。本研究チームとしては,97年度には,中・上級学習者のグループ単位の活動をベースにした電子メール活用を試みる予定である。
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