研究課題/領域番号 |
07044003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 典子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (00241753)
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研究分担者 |
SPENCE Broun モナシュ大学, 日本学科, 上級講師
當作 靖彦 カリフォルニア大学, サンディエゴ校, 準教授
丹羽 フォード 順子 城西国際大学, 講師 (70286201)
山元 啓史 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (30241756)
酒井 たか子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (40215588)
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キーワード | 日本語能力 / SPOT / プレースメントテスト / 外国語テスト法 / 音声 / 穴うめ問題 / 文法項目 / 評価 |
研究概要 |
SPOTとは外国人日本語学習者の日本語能力を簡単に測定するものとして我々が開発したものである。基本的には二レベルの難度の問題基準があり、それに応じたテストヴァージョンを作り続けている。これらのテストを学習者のプレースメントテストとして試用する日本語教育機関は国内(筑波大、北海道大学、名古屋大学、など)外(アメリカ、オーストラリア、韓国など)で数十校に増加した。また、第2言語としての日本語の習得研究の基準としてこのテストを利用した研究も出始めた。 本年度も各問題項目の難易を決定する条件を得るため、別途作成の文法項目学習診断テストとSPOTの各バ-ジョンの両タイプを実施してデータ収集をおこなった。 また、コンピュータによる自動テスト処理システムの試作が完成し、学習者にフィードバックできる方法に見通しがたった。パソコンへの入力には労力を要したが、教師のための統計処理結果が自動的にでき、また、受験者に対しては点数、誤りの傾向を知らせるための結果シートを返却できた。分析の精度をあげるために、文法項目の分析、項目ラベルのデータベース作りをしたが、このラベルを他の基準テストにも付け、相関を見ることで、文法項目の知識とSPOTでの得点率を調べることが今後さらに必要と考える。 一方、SPOTの言語テストとしての妥当性の研究のために、学習者のface validity調査も試みた。その結果、教師側にとっては便利であっても、受験者側の心理的な問題も浮かび上がってきた。時間的にも方法の上でも処理の簡単なテストは、受験者に自己の実力を納得させるには不満が残るようで、テストにはある程度の時間をかける必要もあるという心理的な側面の問題がわかった。最終年度であることから、8月には公開で研究発表会を開催した。使用機関の教師の労力削減に寄与していることは喜ばしいことであるが、精度をあげていくという今後の課題も大きい。
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