研究概要 |
本年度は,昨年度から継続している環境教育教材の開発をさらに進め,特にタイにおいて,現職教員への環境教育の重要性の啓発,環境学習教材の普及を中心に研究を進めた。まず,研究代表者らは7月にタイ国を訪問し,研究分担者らと研究の進捗状況を報告しあった後,平成9年7月28日〜30日の3日間,研究対象地域の1つであるチェンマイにおいて、現職教員のための環境教育トレーニングコースを開催した。このコースでは講義だけでなく,本研究で重視している子どもたちの体験学習に活かすために,自然環境の視察や環境問題の調査に重点をおいた。本年度は、河川の水質,ゴミ問題,森林生態の破壊に焦点を絞ったが,その中で開発・工夫した簡単な調査器具を使ったモニタリングや観察において現地に適した方法を紹介し実践した。実施したトレーニングコースを通して、環境教育教材や環境教育に適したフィールドを提示でき、また教員の問題解決への意欲引き出せることができたが、こういった現地におけるトレーニングコースの開催の有効性を再度確かめることができた。予定通り、10月にはアルゼンチンで開催された第7回世界湖沼会議の環境教育のセッションで研究分担者(服部)と研究代表者が連名で、11月には滋賀大学国際シンポジウム(環境問題の解決を目指した環境教育と情報支援システム)において研究代表者と分担研究者(S.Chaisom)それぞれが、本年2月には東京学芸大学主催の国際シンポジウム(地球時代の環境教育)で研究代表者が成果の一部を発表した。本年度は最後の年であるので、まとめの1つとして、タイの教員のための環境教育指導指針(タイ語)を作成したが、今後有効に活用されるであろう。
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