研究課題/領域番号 |
07044008
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
武村 重和 広島大学, 教育学部, 教授 (70112159)
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研究分担者 |
小倉 康 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (50224192)
松原 道男 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80199843)
中山 迅 宮崎大学, 教育学部, 助教授 (90237470)
吉田 淳 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90115668)
マンザーノ V.U. 広島大学, 教育学部・, 助教授 (80208719)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 科学観 / 自然観 / 理科への関心と活動 / 科学教育文化 / 相対主義 |
研究概要 |
本研究では、小学校段階の子どもが応答可能な調査課題を科学論的立場よりオリジナルに作成し、白然観、理科への関心と活動といった要因を想定して、科学観の形成過程を探った。そして、タイ、フィリピン、中国、アメリカ、オーストラリアといった科学教育文化の異なる国々と比較を行うことにより、自国の科学教育を再検討した。 共同研究は、英語を共通語として進められたが、各国の文化背景の違いにより、調査課題の作成に多くの時間を費やした。また、小学校段階の子どもに抽象的な概念を尋ねるため、慎重に配慮がなされた。そうして行われた六カ国に跨る共通課題による調査の結果、科学論において、ポストモダンといわれる相対主義的科学観は、アメリカ、オーストラリアといった西洋諸国よりもむしろ、タイ、フィリピン、中国、日本といった東洋諸国の子どもにおいて多く見いだされた。自然観については、東洋諸国と西洋諸国とでは、共約不可能な部分が多く見いだされた。そして、理科への関心や活動は、国間はもちろん、男女間でも違いが見いだされた。これらはいずれも当該研究領域の空白部分を理めるものであり、貴重な成果である。 本研究成果は、オーストラリアやアメリカの学会において発表されると共に、各国の研究分担者により、自国の教育事情等に照らし合わせながら検討された。そして、東洋諸国は、単なる西洋近代科学の輸入ではなく、西洋諸国は、一元論的科学観による科学教育ではなく、相対主義的な立場から、多元論的な科学教育の在り方を探ってく必要性がまとめられた。
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