研究分担者 |
孫 淑雲 北京科技大学, 冶金史研究室, 副教授
韓 汝びん 北京科技大学, 冶金史研究室, 主任教授
陳 鉄梅 北京大学, 考古系年代測定実験室, 主任教授
坂本 稔 国立歴史民族博物館, 資料研究部, 助手 (60270401)
斎藤 努 国立歴史民族博物館, 資料研究部, 助手 (50205663)
小林 紘一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (70108637)
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研究概要 |
田口,小林,斎藤と坂本は3名の日本側研究協力者とともに,平成7年7月23日〜8月1日に,中国の北京大学などを訪問し,陳,韓と孫と研究方法,対象資料,研究分担などを協議し,詳細を定めた。金属資料を対象とした,年代分析と産地分析について日本側と中国側の現状法を成文化し,比較検討し,共通法とすることにした。さらに主として中国側の古代金属資料を対象とし,共通法を適用し,分析することとした。分析は両国側で分担する(金属組織分析:主として中国,産地分析:主として日本,年代分析:両国)。 本年度においては,現状の分析法の成文化と共通法化を完成した。産地分析については,日本提案の高周波加熱分離ー表面電離型質量分析法で,年代分析については,両国提案の炭素還元分離ータンデム型加速器質量分析法を共通法とすることができた。孫は平成8年1月11〜21日(予定:平成7年11月)に来日し,日本側に資料を持参した。産地分析について,42種で,年代分析について,陳から依頼された5種であった。産地分析用資料は早期商時代の青銅器資料(湖北省の盤龍城遺跡出土)などであり,年代分析用資料は西周時代以降の製銅スラグ資料(湖北省の銅緑山遺跡出土)などである。いずれもまだ日本では分析されたことがない,貴重な資料である。また,孫は中国側の年代標準資料を持参した。現在,これらの資料については,日本側と中国側で研究されつつある。孫は,国立歴史民族博物館の表面電離型質量分析装置などの分析設備と東京大学原子力研究総合センターのタンデム型加速器質量分析装置,炭素還元分離前処理装置などの分析設備についても調査し,装置面から,上記の共通法化を検討した。 なお,陳と韓の来日も予定していたが,国際金属歴史フォーラムしまね 日本金属学会主催)に招聘されたので,来日は次年度に変更した。
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