研究課題
本研究の目的は、一つに18世紀における中国、日本、韓国、ヴェトナムの4か国の刑律および刑事判例を使い、それぞれの国の家族・親族の構造を析出し比較すること、二つに18世紀の東アジアにおける刑律および刑事判例のデータベースを作成することにある。そうした目的にそって、今年度は昨年度に続き、第3次、第4次、第5次の三回のワークショップで以下の研究作業を進めた。1.各国の刑律および刑事判例のうち、コンピュータに入力する史料の特定、およびそれらの史料を基とした用語解の作成と、参考とすべき各国の刑律・刑事判例の書誌解題の作成。そのサンプルとして、韓国の『増補文献備考:刑考』とヴェトナムの『黎朝刑律』に加えて、韓国の『続大典』『秋官志』『審理録』、中国の『刑案匯覧』『清律』、日本の『御仕置例類集』を選択。2.コンピュータに入力する時のコード化の開発とその分析方法の検討。3.韓国とヴェトナム史料の具体的入力と編集。4.4か国それぞれにおける親族研究の回顧と展望。5.4か国それぞれにおける刑法の展開についての研究の回顧と展望。また、以下の点について討議を行った。a.本研究に使用する史料が総合的な法規の実行記録であるため現代西洋の概念との対照が困難であり、概念の再検討が必要。b.4か国における親族の概念の違い。コンピュータに入力するための刑律・刑事判例の構文解釈。入力・出力の一貫性のため4か国の漢字使用の対照表の作成。
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