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1997 年度 実績報告書

中国辺境地区における農業総合開発方策に関する日中共同調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044023
研究機関北海道大学

研究代表者

黒河 功  北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)

研究分担者 汪 三黄  中国農業科学院, 農業経済研究所, 助理研究員
朱 希剛  中国農業科学院, 農業経済研究所, 所長
七戸 長生  酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (30001803)
志賀 永一  北海道大学, 農学部, 助教授 (50235511)
大久保 正彦  北海道大学, 農学部, 教授 (40001458)
キーワード辺境地域 / 貧困 / 少数民族 / 日中共同研究 / 貴州省 / 雲南省 / 総合開発方策 / 新彊ウイグル自治区
研究概要

平成9年度は予定どおり、中国側研究者が来日し、日中研究者が合同して、根室支庁中標津町の新酪農村と、宗谷支庁の猿払村及びサラキトマイ地区において、関係機関調査及び農家実態調査を行った。また、それら調査地区は酪農地帯であるので、時期を違えて稲作地帯である新篠津村及び新十津川町において開拓過程に関する補足調査を実施した。主たる知見は以下のとおりである。
1 農村整備の実態を社会資本整備と地域組織整備の両面からみると、戦後開拓地のとくに酪農地帯においては、社会資本ストックの低位性によりとくに生産基盤整備が要請された。道路整備や除雪体制の確立等が進められたが、このような生産基盤整備は生活環境にも波及して多義的な意味合いをもっていた。
2 一方、これに平行して集落組織が形成されていき、専門化・規模拡大が進展する中で経営展開の方向が次第に確立するに伴い、開拓事業中心の農家の共同関係は、本格的な生乳生産・出荷に係わる関係へと変化していった。その重要な転機は、不足払い制度の発足に伴う酪農振興会の設立であり、以後、酪農振興会を中心とする生産基盤整備体制の下で集落組織の整備が進められた。社会資本整備を補完するため地域組織の整備が農村整備の一環として位置づけられたといえる。
3 稲作地帯においては、戦後の食料増産政策の推進によって、酪農地帯よりもより早く各種農村整備体制が進められたといえるが、しかし高位泥炭地域ににおいては、酪農地帯に劣らずその整備には世界銀行などによる社会的資本が要請された。同時に、このような社会的資本投下を実効あるものにするためには、稲作地帯では「土功組合」など地域組織の整備が重要性をもっていた。
このように、北海道における開拓過程の経験からは、社会資本の整備と同時にその受け皿となる地域組織の整備が必要であることが分かった。とくに各地域の農協の役割は農業支援の側面ばかりではなく、開拓生活を支える存在であったといえる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] プルジャップ・黒河 功: "中国における農業生産の現況と生産条件-農産物生産の状況と政策変化-" 平成9年度 科学研究費補助金 研究成果報告書「中国辺境地区における農業総合開発方策に関する日中共同調査研究」. 5-26 (1998)

  • [文献書誌] 兪 炳強・プルジャップ: "雲南省・貴州省の調査記録" 同上報告書. 27-60 (1998)

  • [文献書誌] 兪 炳強: "雲南省・貴州省の主要統計" 同上報告書. 60-71 (1998)

  • [文献書誌] プルジャップ・志賀 永一: "貴州省における農家経営の現況-普定県と織金県の実態調査" 同上報告書. 72-95 (1998)

  • [文献書誌] 兪 炳強: "貴州省調査地域の概要" 同上報告書. 96-110 (1998)

  • [文献書誌] 兪 炳強・プルジャップ: "貴州省農家調査報告" 同上報告書. 111-151 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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