研究課題
日米の共同研究者の相互訪問と研究討議、およびe-mailやFaxなどによる資料の交換などを通して行った共同研究の成果を次のような諸点にまとめることができる。1 アメリカのパソコン利用法の最近の傾向: ・授業に於けるパソコン利用法の低学年化、・エデュテインメント、ゲームなどの遊びの要素、・インターネットのwwwによるデータ収集、メール交信、グラフィック、ワープロとしての利用、・ドリルよりシミュレーション、問題解決的利用、・衛星送受信による遠隔授業、・自作ソフトより市販ソフトに依存、など。2 日米の教育環境の違いとメディア利用の特質: 教育の地方分権が徹底しているため、アメリカでは地域の経済的、文化的な特性がそのまま教育の実践に反映され、地域格差が大きい。3 日本の学校教育に於けるメディア利用の可能性:一斉学習ではなく、個性、能力と進度の個人差、個人の興味、学習の内容と質、などに柔軟に対応した指導と学習にする上で、メディア利用は効果的。4 コンピュータリデラシーの日米比較:アメリカの現在の学校教育で特徴的なのは、キーボ-ディング学習の低学年化と児童生徒のコンピュータリテラシーの向上である。5 情報化教育を推進する任を負うアメリカの教師に特徴的なことは、メディアリテラシーの高度化、複雑化、技術開発の進歩に伴う研修の高度化、一般教員の技術援助をするメディアスペシャリストの専門職化、などである。6 ネットワーク環境境の相違:アメリカでは学区単位のネットワークと、学校ごとにサテライトディッシュなどの衛星受信施設を所有し、e-mailによる教育情報交換を行っている。7 インターネットの教育利用に付随する問題:児童生徒の情報アクセスの許容限度、プライバシー保護、著作権など。8 学校教育への期待の高まりがメディア利用の基盤整備を促している。
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