研究課題/領域番号 |
07044031
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
中野 敏男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10198161)
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研究分担者 |
篠原 琢 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (20251564)
伊豫谷 登士翁 一橋大学, 社会学部, 教授 (70126267)
成田 龍一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (60189214)
岩崎 稔 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10201948)
山之内 靖 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (60014429)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 戦時動員 / 構造変動 / 国際比較 / 総力戦体制 / 国民国家 / 戦後日本 / 歴史表象 / ジエンダー |
研究概要 |
本共同研究は、具体的には、(1)毎年7月に東京外国語大学で開催した国際研究集会への海外メンバーの招へい、(2)9月か10月にアメリカとドイツにおいて開催された研究集会への日本側メンバーの派遣、(3)研究打ち合わせと資料収集を目的として頻繁に行なわれた内外研究者の相互渡航、という三つの活動を軸に進められた。 (1)では、主に日本とドイツとの比較という観点に立ってドイツの共同研究者を招へいし、両国の戦時動員体制とそれの戦後社会への影響について集中的な議論がなされた。ここでは、戦時体制と戦後社会との構造的な連続と断絶の検証から始まり、「ジェンダー」という問題に即して議論がさらに深化され、両国の戦後社会における歴史表象と社会意識にまで考察は進展した。そしてこれにより、これまでそれぞれ特殊と見なされがちだった両国の戦時と戦後の社会に、大きく共通する一般的な構造が見られるということが確認された。 (2)では、特に「日本研究」という主題に即して、日本とアメリカとドイツの現状が相互にまとめて報告され、その比較検討がなされた。ここでは、「日本近代」の研究のあり方が研究者のおかれたそれぞれの社会の事情に強く規定されていること、にもかかわらず、そこには深いレベルでの共通性があらためて確認できること、が明らかになった。そしてこれにより、「日本研究」という事柄がすでに「ナショナル」な観点に縛られていては少しも進展してゆかない主題であるということが、各国の共同研究者に共通の認識とされるようになった。 (3)では、以上のような(1)と(2)の成果がさらに具体的な個別の間題に即して深化され、研究分担者たちのそれぞれのテーマの深まりと、それらの有機的な連関となって進展した。そしてここからは、98年度から開始される次世代の共同研究に引き継がれるべき多くの課題が生み出されてきている。
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