中国・台湾・香港における社会経済的変動に関する日仏共同研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07044032
• 研究機関: 東京外国語大学
• 研究代表者: 中嶋 嶺雄 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80014447)
• 研究分担者: FRANCOIS Gip CNRS比較政治制度法律研究所, 研究員 ; LUCIEN Bianc 社会科学高等研究院, 教授 ; JEANーPIERRE ピエール キャベスタン CNRS比較政治制度法律研究所, 研究員 ; LEON Vanderm フランス高等研究院, 第5部門, 教授 ; CHENG Yingxi フランス国立政治学財団, 国際関係研究調査センター・中国・極東部, 上級研究員 ; 蒲地 典子 米ミシガン大学, ディアボーン校, 教授 ; CLAUDE Cadar フランス国立政治学財団, 国際関係研究調査センター・中国・極東部, 部長 ; 興梠 一郎 神田外語大学, 外国語学部, 専任講師 (60234720) ; 渋谷 司 拓殖大学, 海外事情研究所, 専任講師 ; 園田 茂人 中央大学, 文学部, 助教授 (10206683) ; 井尻 秀憲 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70193365) ; 河田 悌一 関西大学, 文学部, 教授 (00031857) ; 国分 良成 慶応義塾大学, 法学部, 教授 (20146567) ; 宇佐美 滋 日本大学, 国際関係学部, 教授 (30114797) ; 小島 朋之 慶応義塾大学, 総合政策学部, 教授 (00153536) ; 光田 明正 桜美林大学, 国際学部, 教授 (60245363) ; 中兼 和津次 東京大学, 経済学部, 教授 (80114958)
• キーワード: 改革・開放 / 〓小平 / 台湾 / 香港 / 民主化

研究概要

2ヶ年計画の初年度として先ず当面する課題の整理を行い、引き続き日本およびフランスにおいて共同研究セミナーを2回開催した。
第1回日仏共同研究セミナーは、フランス側研究分担者のクロード・カダール、インシアン・チェン両氏を迎え、8月29日に東京で行った。ここでは、先ず、インシアン・チェン氏が中国・台湾・香港の経済社会状況についての概括的報告を行い、それに対して各分担者が重点的に考察を加えるべき問題点について意見を出し合って討議し、今後の共同研究の見通しをつけた。続いてクロード・カダール氏から、中国およびフランスの核実験に関する報告がなされ、中仏それぞれの核実験を行う論理と、これに直面する日本の外交の在り方について、討議がなされた。そして広く中国・台湾・香港を含む東アジアの国際関係について、日仏の研究者間の認識の類似点・相違点を理解し合った。
第2回日仏共同研究セミナーは、日本側から6人の研究者をパリに派遣し、12月26日〜27日にパリのフランス国立政治学財団において行われた。ここでは次の報告がなされた。報告順に、国分良成「一党独裁国家と市場経済:経済改革と対外開放の時代の新しい政治経済を探求する中国」、興梠一郎「〓小平の統一戦略:『一国両制』の定式化と未解決の諸問題」、宇佐美滋「台湾海峡をめぐる波紋:李登輝の非公式訪米がもたらした問題について」、渋谷司「台湾海峡両岸の紛争」、光田明正「中国の地方性」。それぞれの報告に対して、フランス側からコメントが加えられ、その後全体討論を行った。最後に研究代表者が総括を行い、次年度に向けて残された問題を提起した。
3月28日から4月1日にかけて、研究代表者が中国、香港に赴き、今年度の共同研究の成果を確認すべくフィールドワークを行った。

研究成果

• [文献書誌] 宇佐美 滋: "アメリカの台湾政策の変更を読む-その歴史と今後-" アジア時報. 10月. (1995)
• [文献書誌] 渋谷 司: "李登輝訪米の波紋" 海外事情. 9月. (1995)
• [文献書誌] 園田 茂人: "中国社会の「関係主義」的構成" 現代中国. 69号. (1995)
• [文献書誌] 興梠一郎: "毛沢東と湖南自治運動" 中国研究月報. 2月. (1995)
• [文献書誌] 中嶋 嶺雄: "中国経済が危ない" 東洋経済新報社, 202 (1995)
• [文献書誌] 小島 朋之: "〓小平のいない中国" 日本経済新聞社, (1995)
• [文献書誌] 中兼 和津次(編著): "講座現代アジア2 近代化と構造変動" 東京大学出版会, (1994)