研究課題
本研究では、主として、(1)1970年代および1990年代の二時点からなる個票データを用いた日加比較、(2)日本・カナダに14カ国を加えた16カ国の生活時間データ(一次集計結果)を用いた国際比較分析について行った。個票データに基づく日加比較では、特に平日の生活パターンに着目して分析を行った結果、日本の特徴として、アフタ-5は独身者、デイタイムには主婦の間で長時間の自宅外での余暇行動が行われているという大きな偏りが観察されること、これらの偏りは年齢や家族構成、収入などによる影響を強く受けることなどが明らかになった。時間帯や場所、一行動あたりの時間量など、これまで分析に用いられることの少なかったデータの組み合わせにより日加間の差異がクリアに現れるという分析結果である。そこで、これらのデータを組み合わせによる「アクティビティセッティング」という新たな視点を導入し、日加間の比較分析を深めた。一次集計結果を用いた多国間比較では、(1)加齢の影響・家族成員間の時間配分・学歴と教育文化活動時間との関連、などの分析枠組みに応じた国際比較、(2)日本側研究者が開発した生活の質指標(多様性、同調性、多忙性など)を用いた各国の生活時間データの解析、(3)多変量解析(クラスター分析や因子分析など)の手法を用いた多国間の類似性および生活構造に関する分析などを行った。
すべて その他
すべて 文献書誌 (4件)