研究課題/領域番号 |
07044034
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
吉川 武男 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (50018058)
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研究分担者 |
MITCHELL Fal エジンバラ大学, 会計・経営学部, 教授
中村 博之 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (20217889)
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キーワード | 原価管理システム / 機能的コスト分析 / 総合的原価管理システム / 無駄の排除 / 生産の整流化 / ABC(Activity-Based Costing) / 業績評価システム / バランスト・スコアカード |
研究概要 |
本年度の研究実施では、当初の研究計画に沿って、前年度に実施したのと同様に、日英両国で実際に行われている原価管理システムと業績評価システムについて、フィールド・スタディを実施した。特に、今年度は、製造業と非製造業に分類した上で、その両方の企業に関してフィールド・スタディを実施した。よって、調査の対象とする企業は、英国においては昨年度と同一の企業であり、製造業として、ハイテク関連部品製造業者とし、非製造業として公共運輸サービスについて調査した。また、日本の調査では、精密機器製造、部品製造などの製造業と、食品サービスなどの非製造業に関して同様の調査を実施した。 実施の結果、企業環境が激変する状況においては、業績評価システムの構築では、従来からの財務業績を強調した非常に限定的な業績評価では限界があり、バランスト・スコアカードにあるような企業内部と企業外部の両方の視点を考慮した包括的な業績評価が要請されていることが明らかであった。また、製造業であるか非製造業であるかの如何を問わず、原価管理システムとして、機能的コスト分析を基礎とするABC(Activity-Based Costing)が日本企業にも適用可能であり、現実に、原価管理の用具として浸透してきていることが確認された。さらに、日本企業の長所として、あらゆる無駄の排除による生産の整流化を図る総合的原価管理システムは、原価管理を通じて、利益の増大に相当程度貢献できるシステムであると考えることができる。 以上の研究成果に関しては、論文、著書としてとりまとめ、順次、研究成果として出版する予定である。
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