研究課題/領域番号 |
07044036
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北山 忍 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20252398)
|
研究分担者 |
マルカス ヘゼル スタンフォード大学, 心理学部, 教授
唐沢 真弓 白百合女子大学, 文学部, 助手 (60255940)
|
キーワード | 自己 / 文化 / 日米比較 / 対人関係 / 会話 / 社会的認知 / 発話意図 / 自己向上と自己批判 |
研究概要 |
研究2(会話の情報処理についての検討) 本年は、会話の情報処理を見るためにいくつかの探索的実験を繰り返した後、当初計画された手続きでは、主として刺激のばらつきから、信頼性のあるデータを得ることが不可能であることが判明した。そこで、当初の計画を変更し、発話の情報処理に関しては、「うれしい」とうれしそうに言う、とか「きたない」と嫌しそうに言うといった発話がどのように処理されるのかを日米で検討することにし、データを収集した。特に、発話の言語的意味の快・不快と発話の声の調子の快・不快を操作した刺激を日本語と英語で用意し、単語の意味と声の印象を日米で統制した。ついで、ストループ課題を用い、いずれの情報がまず活性化されるかを検討することにした。その結果、アメリカにおいては、圧倒的に言語優位であるが、日本においては、この傾向は非常に弱くなることを示した。 研究3(社会的コミュニケーションと自己判断) 社会的コミュニケーションと自己概念の関連については、多くの人格形容詞に関しては、自分に当てはまると思うか、周りの人は当てはまってほしいと思っているかの二つの判断を求め、その内容と反応に要した時間を計測した。この研究も日米で実施した。その結果、アメリカでは自己認知と他者期待が一致し、いずれも非常に肯定的色合いを持つが、日本では、肯定の度合いが低いのみ成らず、両者の一致の度合いも低いことを見いだした。また、反応時間の分析は、ここでの知見と一致するものであった。
|