研究課題/領域番号 |
07044043
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐藤 誠 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70205962)
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研究分担者 |
山崎 圭一 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (10282948)
峯 陽一 中部大学, 国際関係学部, 助教授 (30257589)
佐々木 建 大阪市立大学, 商学部, 教授 (60047058)
北川 勝彦 関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
川端 正久 龍谷大学, 法学部, 教授 (10043374)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ポスト・アパルトヘイト / ANC / マンデラ政権 / 真実和解委員会 / TRC / 人種和解 / 国民党 / 南アフリカ |
研究概要 |
1994年5月にマンデラ政権が誕生してから丸4年が経とうとしているが、この4年の間にポスト・アパルトヘイト時代の南アフリカ社会の重要な土台はようやく形作られつつある。アパルトヘイトからポスト・アパルトヘイトへの転換を、政治・経済・社会という3つの側面に渡って「変化と継続」という観点から見るならば、次のようにまとめることができるだろう。 政治の舞台では、解放闘争の中心勢力であり、1994年の初の全人種参加選挙で圧勝したアフリカ民族会議(ANC)の圧倒的な優位が、少なくとも全国レベルでは今後も揺るぎないものと思われる。とりわけ白人の利益を代表してきた国民党が連立政権を退いて野党となった今日では、事実上、政府=ANCという図式がますます当てはまるようになっている。けれども、経済的な側面、とりわけ人種間の所得格差の是正といった問題では、この4年間に大きな変化はなかった。96年にはより新自由主義的な色彩を帯びた経済政策が新たに打ち出されており、経済開発や所得格差是正といった問題における国家の役割が最小限に押さえられることが明確化しつつある。グローバルなレベルでの市場指向の流れから、南アも無関係ではいられないようである。社会的な側面では、住宅建設などの格差是正策がようやく具体化し始めるとともに、アパルトヘイト体制下で行われた様々な不正行為の告白を当事者に促して真実を明らかにした上で和解の精神による共生を目指す真実和解委員会(TRC)の活動が始まった。TRCは真実究明を第一の優先事項としているが、それにもまして重要な「人種和解」を促進しようとする機関でもある。真の意味での多人種共生社会の創出という偉大なる試みに、南アがどれだけ成功を収めることができるのか、歴史的な教訓を生かそうという努力がどれだけ報われるのか、その動向から目を離すことはできない。
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