研究課題/領域番号 |
07044060
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三明 康郎 筑波大学, 物理学系, 教授 (10157422)
|
研究分担者 |
KALECHOFSKY エイチ ジュネーブ大学, 助手
佐甲 博之 筑波大学, 物理学系, 助手 (40282298)
西村 俊二 筑波大学, 物理学系, 助手 (90272137)
八木 浩輔 筑波大学, 副学長室, 副学長 (60028107)
|
キーワード | 高エネルギー重イオン衝突 / クォークグルオンプラズマ / 流体力学的振舞 |
研究概要 |
CERN(欧州共同原子核研究機構)における核子あたり160GeVのデータ収集はすべて完了し、当初計画通りに米国ブルックヘブン国立研究所におけるPHENIX実験に向けて飛行時間測定器の移動を行い、調整・補修、補充を行った。データ読み出しのシステム・テストを行った。 本年度の主要な活動はデータ解析であった。まず、本科研費で製作した高時間分解能飛行時間測定器について目標としていた時間分解能80ピコ秒を達成しており、粒子識別も問題なく行えることが最終的に確認された。ジュネ-ブ大学の研究者を2名招聘することが出来、解析作業が飛躍に改善することが出来た。本年度の中心課題である解析を推進した結果、核子あたり160GeV領域の原子核原子核衝突では初めてDirected Flowが我々の観測によって初めて見つけることが出来た。流体力学的振る舞いと考えられ、ビームエネルギー依存性の測定からQGPの発生の有無等の重要な性質が導き出せることとなった。これらの流体力学的解析から状態方程式に関する知見が得られれば、そのビームエネルギー依存性等から、鉛・鉛衝突におけるJ/ψ抑制効果の異常から提唱されているクォークグルオンプラズマ生成の問題についても重要な結果が得られる。 本研究分野の最も権威ある国際会議である高エネルギー原子核原子核衝突国際会議「クォーク物質'97」を平成9年の12月に筑波大学・大学会館にて開催した。本研究班の八木とコロンビア大の永宮が組織委員長、本研究班の初田と本研究班代表の三明が事務局を務めた。本研究の結果について、平成9年3月、インドの国際会議における招待講演に引き続き、「クォーク物質'97」国際会議でも西村氏を初めとする4編の論文報告がなされ大きな反響が得られた。
|