• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

偏極気体標的を用いた核子のスピンの構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07044072
研究機関東京工業大学

研究代表者

柴田 利明  東京工業大学, 理学部, 助教授 (80251601)

研究分担者 MILNER R.  マサチューセッツ工科大学, 教授
STEFFEUS E.  原子核のマックスプランク研究所, 研究員
B. Pouh  原子核のマックスプランク研究所, 所長
酒見 泰寛  東京工業大学, 理学部, 助手 (90251602)
キーワードスピン / 素粒子 / 核子 / 加速器 / レーザー / 電子
研究概要

電子の偏極深非弾性散乱によって核子(陽子と中性子)のスピン構造を研究するのが、HERMES実験の目的である。DESY HERAの陽電子ビーム(28Gev)と偏極気体内部標的(3He,H,D)を用いる。東工大グループは独・米ほかの研究者と共に、レーザーとフレネルゾーンプレートを用いた位置測定器をモニター用に開発し、実験の運動量分解能を上げるのに重要な貢献をした。このモニターは粒子飛跡検出器の位置を50μmの精度で測るもので、ドイツで進行中の実験を東京でモニターすることができる。
HERMES実験は1995年に準備が完了し、データを取り始めた。すでに、3He標的から得られた中性子のスピン依存構造関数が発表されている。HERMES実験の一番の特長は、散乱した陽電子のみならず、発生したハドロン(T/4,【product】^±,^0,р,ш,φ,к^±,^0,D^0,∧)を同時計測することにある。粒子識別のための装置を備えている。これにより、クォークの各フレーバー毎の核子スピンへの寄与を測ることができる。更に∧はその崩壊を用いて∧の偏極自体を測ることができる。HERMES実験のハドロン粒子識別の能力は1995-96年の実験で証明された。この新しい実験方法は、量子色力学(QCD)研究の新手法を与えるものであり、特にストレンジクォーク、グル-オン、seaクォークのスピンの核子スピンへの寄付がHERMESによって解明されつつある。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 柴田利明: "核子のスピンの構造:現状と将来計画" Proc,RIKEN Symp.[ハドロンと原子核の構造関数」23GE01:1995. 1-24

  • [文献書誌] T.-A.Shibata: "Experiments on Spin-depeudent Structure Functions of the Nucleon" Proc,RIKEN Symp. on ‘Spin Structure of the Nucleon'. 50-55 (1996)

  • [文献書誌] T.-A.Shibata: "Polarized Electron-Proton Collider Experiments" Proc,INS Workshop on SPIN Physics with the Primary Beans of a 50 GeV Hadron Facility. 161-180 (1996)

  • [文献書誌] T.-A.Shibata etal.: "A precise alignment system with a laser and Fresnel Zone plates for HERMES" Nuclear Instrum.Meth.A. (投稿中). (1997)

  • [文献書誌] K.Ackerstaff etal.,: "Measurement of the Neutron Spin Structure Function g^n_ with a polarized ^3 He Internal Target" Phys,Lett.(投稿中). (1997)

  • [文献書誌] K.Ackerstaff etal.,: "HERMES Spectrometer" Naclear Instrum.Meth.A. (投稿中). (1997)

  • [文献書誌] 柴田利明、太田滋、斉藤直人 編: "SPIN STRUCTURE OF THE NUCLEON" World Scientific, 121 (1996)

  • [文献書誌] 柴田利明 訳,Pouh,Rith,Sebolz,Zetsche著: "素粒子・原子核物理入門" シュプリガーフェアラーク東京, 345 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi