• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

グラファイトフィルムの設計-構造と機能の設計-

研究課題

研究課題/領域番号 07044109
研究機関北海道大学

研究代表者

稲垣 道夫  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20023054)

研究分担者 BONNAMY S  北海道大学, 微粒子研究所, 主任研究員
KOTOSONOV A  国立グラファイト研究所, 教授
竹市 力  豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90126938)
菱山 幸宥  武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90061499)
キーワードグラファイト / フィルム / ポリイミド / 結晶性 / ボロン / 鉄 / 構造 / ド-ピング
研究概要

1)構造の設計,制御と評価 : 芳香族ポリイミドフィルムの内,カプトンフィルムについて,その構造・組織および電磁物性(残留抵抗比,磁気抵抗およびホール係数)の処理温度に伴う変化を詳細に追跡した.2200℃以下の熱処理によっては,構造の発達はかなり強く抑制されており,コ-クスなどの易黒鉛化性炭素よりも劣っている.しかし,2300℃以上では急激に構造が発達し,極めて高い結晶性が得られることを明らかにした.これらのポリイミドフィルムから得られたグラファイトフィルムは現在モノクロメータなどとして実用化されている高配向性熱分解黒鉛に匹敵する.また,ユ-ピレックスフィルムに付いては,3000℃への熱処理によってもグラファイト構造の発達はほとんどみられず,フィルムの厚さ方向での構造傾斜が認められた.
2)機能の制御と評価 : グラファイト構造への変化の段階で,イミド分子中に存在した窒素が2100〜2200℃の高温まで残留し,グラファイト構造の発達を抑制している.この残留した窒素は炭素の六角網平面中に炭素原子を置換固溶していることをXPSの詳細な解析から明らかにした.このことは,窒素原子のグラファイト構造中ヘの置換固溶が可能であることを示唆している.
2300℃付近での窒素の放出は急激で,フイルムを変形させる.従って,高結晶性のグラファイトフィルムの調製には,2200℃付近にいったん保持し,充分窒素ガスを放出させることが必須要件である.
3)機能の拡張 : ポリイミドフィルムの合成段階で,ボロンを添加することによって,そのド-ピングを行うとともに,その化学結合状態をXPSによって倹討した.ボロンはポリイミド分子の熱分解の過程でその窒素と反応し,B‐Nのペア-を作って炭素六角網面中に存在することが明らかとなった.さらに,同様な手法で鉄のド-ピングを検討した.ポリイミドの炭素化の段階で鉄原子が凝集し,鉄微粒子として分散したカーボンフィルが得られることを,XRDおよび磁性測定から明らかにした.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Hishiyama: "Graphitization behavior of Kapton-derived carbon film related to structure,microtexture and transport properties" Carbon. 35. 657-668 (1997)

  • [文献書誌] H.Konno: "State analysis of nitrogen in carbon film derived from polyimide kapton" Carbon. 35. 669-674 (1997)

  • [文献書誌] T.Takeichi: "Carobnization and graphitization of Kapton-type polyimide film prepared from poilyimide alkyl ester" Carbon. 36. 117-122 (1997)

  • [文献書誌] T.Takeichi: "Polyimide cotaining internal acetylene units linked para to aromatic ring" J.Polym.Sci.: Part A: Polym.Chem.35. 2395-2402 (1997)

  • [文献書誌] M.Inagaki: "Chemical bonding state of nitrogen in Kapton-derived carbon film and its effect on the graphitization process" Carbon. 印刷中.

  • [文献書誌] Y.Hishiyama: "Structure and microtexture of graphitized carbon film derived from aromatic polyimide film upilex" Carbon. 印刷中.

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi