• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

機械的刺激に対する血管内皮細胞の応答に関するバイオメカニクス

研究課題

研究課題/領域番号 07044112
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 正明  東北大学, 工学部, 教授 (30111371)

研究分担者 GIRARD Peggy  ジョージア工科大学, 生物学科, 講師
NEREM Robert  ジョージア工科大学, 機械工学科, 教授
大橋 俊朗  東北大学, 工学部, 助手 (30270812)
片岡 則之  東北大学, 工学部, 助手 (20250681)
松本 健郎  東北大学, 工学部, 助教授 (30209639)
キーワード内皮細胞 / せん断応力 / アテローム性動脈硬化 / 物質透過性
研究概要

本年度は当初の計画どおり以下の3点について研究を行なった。
a)内皮細胞がそれぞれまばらに存在する状態(スパース状態)で2Paのせん断応力を24時間負荷して形態反応を調べたところ、細胞の流れの方向への配向はみられずランダムな配向を示した。さらに、増殖過程にあるコロニーを形成した状態で流れに対する形態反応を計測した結果、コロニーの中心部では流れの方向に配向した細胞が多く観察されたのに対して、辺縁部の細胞は配向がランダムであった。コンフル-エント状態、スパース状態、およびコロニーを形成した状態での内皮細胞の流れに対する形態反応を比較したところ、細胞同士の接触の度合いにより形態反応が異なることが示唆された。
b)コンフル-エント状態の内皮細胞にせん断応力を負荷したときのアクチンフィラメントの経時変化を詳細に測定した結果、せん断応力負荷20分後にはストレスファイバーの形成が始まっていることが観察さた。今後さらにアクチンフィラメントの変化について詳細に検討する必要がある。
c)内皮細胞の重要な機能のひとつである物質透過性に着目し、ラットを用いてin vivoでのFITC-アルブミンの透過率を計測したところ、大動脈弓部の分岐前の透過率(8.94±3.36×10^<-7> cm/sec)は胸部下行大動脈での値(2.91±1.81×10^<-7> cm/sec)と比較して3倍程度透過率が高いことが明らかとなった。また、in vivoでの内皮細胞の形態の計測したところ、大動脈弓部の分岐前の高い透過率を示す部位では、血管の軸に対して大きな配向角をとる細胞が多く観察され、これらの部位での2次流れや渦など複雑な血流の存在を示唆する結果であった。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 佐藤正明,大島宣雄: "ラット腸間膜の細静脈における白血球の挙動に及ぼす血行動態の影響" 脈管学. 35(4). 217-224 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤正明,大島宣雄: "血小板血栓形成に対する血流の影響" 日本バイオレオロジー学会誌. 9(4). 182-187 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤正明: "血液レオロジーと血栓 第6回 In vivo血小板血栓モデル" 血栓と循環. 3(1). 84-87 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤正明: "血液レオロジーと血栓 第7回 In vivo血小板血栓モデル" 血栓と循環. 3(2). 208-211 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤正明: "血液レオロジーと血栓 第8回 In vitro血小板血栓モデル" 血栓と循環. 3(3). 312-314 (1995)

  • [文献書誌] Matsumoto T,Hayashi K,Ide K: "Residual Strain and Local Strain Distributions in the Rabbit Atherosclerotic Aorta" Journal of Biomechanics. 28(10). 1207-1217 (1995)

  • [文献書誌] Matsumoto T,Hayashi K: "Analysis of Stress and Strain Distributions in Hypertensive and Normotensive Rat Aorta Considering Residual Strain" ASME Journal of Biomechanical Engineering. (印刷中).

  • [文献書誌] Matsumoto T,Delafontaine P,Schnetzer KJ,Tong BC,Nerem RM: "Effect of Uniaxial, Cyclic Stretch on the Morphology of Monocytes/Macrophages in Culture" ASME Journal of Biomechanical Engineering. (印刷中).

  • [文献書誌] Sato M,Ohshima N,Nerem RM: "Viscoelastic properties of cultured porcine aortic endothelial cells exposed to shear stress" J of Biomechanics. 29(4). 461-467 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤正明(著者分担): "血小板と細胞接着 2章 血流と血栓形成" 金芳堂, (1995)

  • [文献書誌] Masaaki Sato,Noriyuki Kataoka,Norio Ohshima (著者分担): "Biomechanics-Functional Adaptation and Remodeling" Springer-Verlag, (1996)

  • [文献書誌] N Ohshima,S Homma,K Yanagi,M Sato,T Ito,H Wayland (著者分担): "Tissue Perfusion and Organ Function: Ischemia/Reperfusion Injury" Elsevier Science, (1996)

  • [文献書誌] Takeo Matsumoto: "Biomechanics-Functional Adaptation and Remodeling" Springer-Verlag, (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi