研究分担者 |
HELLAMS J.Da ライス大学, 化学工学科, 教授
GIRARD Peggy ジョージア工科大学, 生物学科, 講師
NEREM Robert ジョージア工科大学, 機械工学科, 教授
片岡 則之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20250681)
松本 健郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30209639)
|
研究概要 |
最終年度である本年度は,これまでの研究成果を総括的に眺め,従来の研究方法で方法論的に問題となっていた点の幾つかを克服する試みを行った. 1.アクチン線維を生きた細胞内で観察する技術の開発 血管内皮細胞の力学的刺激感知機構に深く関与すると考えられている細胞内アクチン線維の観察方法として現在主流である蛍光抗体法には,固定した細胞でしか観察が行えないという重大な欠点がある.そこでGFP(Green Fluorescent Protein)という蛍光タンパク質をアクチン線維の架橋タンパク質であるα-アクチニンに結合させたものを遺伝子導入技術を用いて内皮細胞に産生させることを試み,従来困難であった生きたままの細胞におけるアクチン線維動態の観察を行うことに成功した. 2.血管内腔面の内皮細胞をそのまま利用した流れ負荷実験系の開発 従来,動物実験と培養内皮細胞を用いた実験の結果には多くの矛盾が生じている.そこでウサギより摘出した胸大動脈を平行平板型流路に設置することによって,両者の短所を補うという新しい実験系を確立し,内皮細胞の流れよるせん断応力に対する形態変化を計測した.その結果,1paの流れによるせん断応力を生体内での血管軸方向と直角に負荷したところ,72時間後に新たな流れの方向へ配向した内皮細胞が多く観察され,本装置の妥当性が確認された.
|